表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚ラノベに否定的な俺が、召喚されたので逃げることを考える  作者: のほほん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/48

第7話: 「疑惑の魔法陣」

エリスの報告を受けて数日が過ぎた。王都での休息も束の間、俺たちは再び森へと向かうことになった。目的は、魔物を操っていたとされる魔法陣の調査だ。


「魔法陣の跡をしっかり確認し、そこに何者かの痕跡が残っていないか探る必要があります」


エリスが真剣な顔で説明する中、俺は内心ため息をついていた。


(面倒な任務がどんどん増えていく……。これじゃ資金を貯めるどころか、消耗するばかりじゃないか)


だが、下手に拒否すれば疑われる。ここはやむを得ず従うしかなかった。



---


森に入ると、空気が変わった。湿った土の匂いと、木々のざわめきが耳に届く。エリスが先頭に立ち、騎士たちがその後に続く形で進む。俺もその後ろから、周囲を警戒しているふりをしながら歩いた。


「ここです」


エリスが足を止めた先には、大きな木の根元に奇妙な模様が刻まれていた。地面には焦げたような跡があり、その中心には黒い宝石のようなものが転がっている。


「これが魔法陣の跡か……」


近づいてみると、細かい文字や図形が複雑に絡み合った模様が描かれている。だが、それは既に崩れかけており、原型を留めていない。


「この魔法陣は召喚術の一種のようです。ただ、かなり強引に使用された形跡がありますね……」


エリスが真剣な表情で調べながら呟く。その横で俺は適当に頷いていたが、実際には内心かなり焦っていた。


(これはまずい。あまりにも俺の知識や力に近い。下手に突っ込んだことを言ったら、逆に怪しまれるかもしれない)


「勇者様、どう思われますか?」


エリスが突然、俺に問いかけてきた。


「え? ああ……そうだな、確かに不自然な感じがするな」


曖昧な答えで逃げようとするが、エリスはさらに突っ込んでくる。


「この魔法陣、勇者様の世界の技術と何か共通点があるのではないですか?」


「……俺の世界?」


その言葉に、一瞬心臓が跳ねた。


「ええ。異世界の勇者様が召喚される際にも、特別な魔法陣が使用されると聞きます。もしかしたら、この魔法陣も同じ原理で動いているのかもしれません」


エリスの考察に、俺は動揺を隠しながら言葉を選ぶ。


「まあ、確かに似ている部分はあるかもしれないが、俺は魔法の専門家じゃないからな。詳しいことはわからないよ」


エリスは少し残念そうな顔をしたが、それ以上追及することはなかった。



---


その夜、森の中で野営をすることになった。騎士たちは交代で見張りをし、エリスは焚き火のそばで魔法陣の記録を整理している。俺は適当な木にもたれかかり、ぼんやりと空を見上げていた。


(あの魔法陣……もし何かの手がかりが見つかったら、ますます俺の状況が厄介になる。いっそのこと、ここで消してしまうべきか?)


そんな考えが頭をよぎるが、実行にはリスクが伴う。今はまだ慎重に動くべきだろう。


「勇者様、少しお時間よろしいですか?」


エリスが近づいてきた。


「なんだ?」


「先ほどの魔法陣ですが、少し気になることがあります」


彼女は小声で続ける。


「実は、あの魔法陣に使われていた宝石、かなり高価なものです。普通の人間が手に入れることは難しいはず。となると、この背後には、かなりの力を持つ者がいる可能性が高い」


「……なるほどな」


俺は適当に相槌を打ちながら考え込む。


(そんな高価なものを使うってことは、こいつら本気で何かを企んでいるってことか。だが、俺には関係ない話だ)


エリスはさらに真剣な顔で続けた。


「勇者様、今後このような脅威が再び現れる可能性があります。その時、どうか私たちと共に戦ってください」


俺はその言葉に、曖昧に笑って答えるしかなかった。


「まあ、できる限り頑張るさ」


心の中では、早くこの状況から抜け出す方法を模索していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ