表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚ラノベに否定的な俺が、召喚されたので逃げることを考える  作者: のほほん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/48

第45話 封印の間の襲撃と囁かれる真実

王城の廊下を歩きながら、俺は深く息を吐いた。選択、決断、責任。そんな言葉が頭の中でぐるぐると回る。封印の間での出来事が王に報告された今、俺は次に何をすべきなのかを考えなければならなかった。


「勇者様、少しお疲れのようですね」


エリスが俺の横で心配そうに言う。


「まぁな……なんか色々考えてたら、頭が重くなってきた」


「無理をなさらないでください。勇者様は一人ではありませんから」


「ああ、わかってる」


そう言いながらも、俺の中のもやもやは消えなかった。俺がこの国をどうするのか、封印をどうするのか、それを決めるのは俺自身。エリスや王様が助言をくれるとはいえ、最終的には俺の決断次第だ。


「なぁ、エリス」


「はい?」


「もし、封印が本当に意味をなさなくなったら……どうすればいいと思う?」


「……それは……」


エリスは少し言葉に詰まり、考え込んだ後、静かに口を開いた。


「私個人の意見としては、できる限り封印を守り続けるべきだと思います。封印が破れた時、何が起こるのか予測できませんし、国を守るためにも安易に封印を解くのは危険です」


「そうだよな……」


「ですが、もし封印を解かざるを得ない状況になった場合は、勇者様が最善の方法を選ばれると信じています」


「……俺にそんな大層な判断ができるかはわからねぇけどな」


「勇者様は、どんな状況でも最善を尽くそうとする方です。だから、きっと大丈夫です」


エリスの真っ直ぐな言葉に、少しだけ気持ちが楽になった。


その時だった。


「勇者様、大変です!」


城の廊下を駆けてきたのは、一人の兵士だった。息を切らしながら、俺たちの前で膝をつく。


「どうした?」


「封印の間の監視をしていた兵士たちが襲撃されました!」


「……何だと?」


「敵の数は少数ですが、戦闘の痕跡があり、兵士たちは気を失っていました。封印自体には異常はありませんが……何者かが侵入した可能性があります!」


俺はエリスと顔を見合わせた。


「すぐに向かう!」


「はい!」


俺たちは急いで封印の間へ向かった。


廊下を駆け抜け、地下へと続く石造りの階段を降りる。封印の間の入り口には数人の兵士が待機していたが、確かに様子がおかしい。


「勇者様! こちらです!」


兵士の一人が扉を開くと、封印の間はひんやりとした空気に包まれていた。石造りの部屋の中央には、問題の赤黒い宝玉が浮かんでいる。封印自体に大きな変化はなさそうだったが、何か違和感を感じる。


「侵入者は?」


「すでに姿を消しており、現時点では発見できておりません」


「痕跡は?」


「こちらへ」


兵士が指し示したのは、床に刻まれた奇妙な模様だった。赤いチョークのようなもので描かれており、何かの儀式に使われたようにも見える。


「……この紋様、何か心当たりはあるか?」


エリスがそれを見つめ、顔を曇らせる。


「これは……古代魔法の一種かもしれません。私の知識では詳細まではわかりませんが……」


「魔導士たちに解析を頼めそうか?」


「はい、すぐに手配します」


俺は再び宝玉を見上げた。


「……もしかすると、封印が少しずつ侵食されているのかもしれないな」


「え?」


「わからないが……こうして襲撃を仕掛けてきたってことは、何かを試そうとしているはずだ」


「それは……」


その時、背後でガタリと音がした。


俺は反射的に剣を抜き、振り向く。


「誰だ!」


闇の中から現れたのは、黒装束に身を包んだ男だった。


「フフ……さすが勇者様だな」


「貴様、何者だ」


「名乗るほどの者ではない。ただ、お前に伝えたいことがあってな」


「……伝えたいこと?」


「お前が今守っているその封印……果たして本当に正しいものなのか?」


「……何が言いたい?」


「封印の奥に眠るもの、それが何か知っているのか?」


「……」


俺は答えられなかった。実際、封印の向こう側に何があるのか、俺はまだ知らない。


「知らない、か……。ならば、いずれ知ることになるだろう。その時、お前は何を選ぶのか……楽しみだ」


「待て!」


俺が剣を構えると、男は煙のように掻き消えた。


「……今の、なんだったんだ」


エリスも困惑した表情を浮かべていた。


「勇者様……封印の奥にあるもの、やはり調べるべきでは?」


「……そうだな。何も知らずにこのままでは、選択なんてできねぇ」


俺は赤黒い宝玉をじっと見つめた。


「……王に報告した後、封印について詳しく調べる」


「はい」


この封印の奥には、一体何が眠っているのか。そして、それを知った時、俺はどんな選択をするのか――。


俺は深く息をつき、剣を鞘に納めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ