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異世界召喚ラノベに否定的な俺が、召喚されたので逃げることを考える  作者: のほほん


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第33話: 「選択の意味」

王都への帰路を進む中、俺たちは疲れきった体を馬に預け、無言で進んでいた。渓谷での戦い、黒装束の奴らの言葉――「選択」という謎の言葉が頭から離れない。


「勇者様、何を考えているんですか?」

エリスが隣で声をかけてきた。


「……あいつらの言ってたことだよ。選択って何なんだ? 俺が何を選ぶって言うんだよ」

俺は視線を前に向けたまま答えた。


「確かに、彼らの言葉には何か含みがありましたね。『鍵』であるあなたが選択を迫られる……それが、この世界の運命にどう関わるのか」


「運命ね……俺はそんな大それたものに関わる気なんかないんだけどな」

俺は小さくため息をついた。

「でも、放っておいたらこの世界がやばいってことなんだろ?」


「ええ、彼らが封印を狙う理由が明らかになるまで、私たちも動き続けるしかありません」


「動き続ける、ね……もうちょっと簡単な解決法があればいいんだけどな」


エリスは少しだけ微笑んだ。

「それがあれば、勇者様もこんなに苦労しなくて済むんですけどね」


「まったくだ。俺は普通の生活に戻りたいだけなのにな……」


王都に戻った俺たちは、すぐに国王のもとへ報告に向かった。緋色の神殿での戦い、封印を狙った黒装束の動き、そして彼らが俺に選択を迫ると言っていたこと――全てを伝えると、国王の表情はますます険しくなった。


「またしても黒装束の者たちが動いていたか……封印を守るためには、さらに手を打たねばならぬ」


「陛下、ですがこのままでは彼らの次の行動を完全に防ぐことは難しいかもしれません」

エリスが慎重に言葉を選びながら口を開いた。

「彼らの目的を掴むためにも、封印に関する古い記録をさらに調べる必要があります」


「記録を調べる……?」

俺が眉をひそめると、エリスが頷いた。


「はい。この国には、封印術や異世界召喚に関する古い書物が保管されている図書館があります。そこに、彼らの目的や勇者様に関わる情報があるかもしれません」


「本か……それで何か分かるならいいけどな」


「勇者よ、そなたが鍵であるという話についても、何らかの手がかりが見つかるかもしれぬ。時間が許す限り、調査に協力してほしい」

国王がそう言うと、俺は少し面倒そうに答えた。


「……まぁ、やれることはやるけどな。でも、俺は本なんて読むの苦手なんだぞ?」


エリスがクスッと笑った。

「そこは私がサポートしますのでご安心を。勇者様に書物の解読をお願いするつもりはありません」


「助かるよ。それなら話が早い」


翌日、王城の奥にある巨大な図書館に向かった俺たちは、その圧倒的な規模に圧倒された。本棚は天井近くまで続き、無数の書物が収められている。


「ここが……封印術や召喚に関する資料が保管されている場所か」

俺は辺りを見回しながら呟いた。

「一体、どこから手をつければいいんだ?」


「まずは、この図書館の管理人に協力を仰ぎましょう。必要な資料を見つけるのは一人では難しいですから」

エリスがそう言った直後、一人の年配の女性が現れた。


「おや、勇者様とその補佐官の方ですね。お待ちしておりました。どうぞこちらへ」


俺たちは女性に案内されながら、奥深くにある特別保管室へと向かった。そこには、封印術や異世界召喚に関する貴重な書物が並べられていた。


「これが……」

俺は本棚に手を伸ばし、一冊を手に取った。だが、文字が難解すぎて内容がまるで理解できない。

「おい、これ読めるのか?」


「古代文字が多いですね……私が解読しますので、少しお待ちください」

エリスが本を受け取り、ページをめくり始めた。


しばらくすると、彼女が一つの章を指差して言った。「勇者様、この部分に異世界召喚に関する記述があります。『異世界から来る者は、この世界の秩序を揺るがす存在となる』と書かれています」


「秩序を揺るがす……? それって、俺がこの世界を壊す可能性があるってことか?」


「いえ、それだけではありません。この章にはこうも書かれています。『鍵となる者は、封印の力を制御し、選択によって世界の行方を左右する』と」


「選択……やっぱりそれか」

俺は本を睨みつけるように見ながら呟いた。

「具体的に何を選ぶのかは書いてないのか?」


「残念ながら、ここにはその詳細は記されていません。ただ、封印の力がこの世界そのものを支えるものであることは確かです」


「つまり、俺が下手な選択をすれば、この世界そのものがぶっ壊れる可能性があるってことかよ」


「はい……それが、勇者様が召喚された理由なのかもしれません」


「……ますます面倒な話になってきたな」

俺は本を閉じ、大きく息をついた。

「とりあえず、もう少し他の資料も探してみようぜ」


「はい。きっと他にも重要な手がかりがあるはずです」


俺たちは再び書物を調べ始め、この世界の真実を探るための糸口を求めていった。


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