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異世界召喚ラノベに否定的な俺が、召喚されたので逃げることを考える  作者: のほほん


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第25話: 「封印の中心部」

「これが封印の中心部か……」

俺は石碑を睨みつけながら剣を構えた。石碑の周囲には魔法陣が光を放ち、その力が空間全体に異様な圧迫感を与えている。


「勇者様、あの石碑が封印の力を抑える鍵です。でも、ただ触れるだけでは何も起きないはず……」エリスが慎重に言葉を選びながら説明する。


「じゃあ、どうすりゃいいんだ? 黒装束の奴らがいる中でのんびり調べる余裕なんてないぞ」

俺がイラついた声を上げると、不意に黒装束の男が静かに笑った。


「その通りですね、勇者様。ここでのんびりする余裕などないでしょう」


「お前……まだ何を企んでる?」俺が問い詰めると、男は石碑の前に手をかざしながら言った。


「この石碑に封じられている力……それを解放することが私たちの目的です。そして、その力を完全に引き出すためには……」


男の視線が俺に向けられる。

「あなたの存在が不可欠なのですよ、勇者様」


「またそれか!」俺は剣を握り締め、男に向かって一歩踏み出した。「何度も言わせるな! 俺はそんなものに協力する気なんてこれっぽっちもねぇ!」


「ですが、協力するかどうかは、あなたが決めることではありませんよ」


男がそう言った瞬間、石碑の光がさらに強まり、魔法陣が異様な音を立てて動き始めた。


「これは……封印が不安定になっています!」

エリスが驚いた声を上げる。

「このままでは封印が壊れてしまいます!」


「じゃあどうすりゃいいんだよ!?」俺が叫ぶと、エリスは急いで魔法書を取り出し、ページをめくり始めた。


「封印を安定させるには、石碑に何らかの力を注ぎ込む必要があります! でも、その力を供給できるのは……」


エリスの視線が一瞬だけ俺に向けられる。「……勇者様、あなたの力が必要です」


「俺の力?」


「はい! でも、慎重に行わなければ封印を壊してしまう可能性もあります……!」


「そんな繊細な作業、俺にできるのかよ!」


俺が戸惑っていると、黒装束の男が再び笑い声を上げた。

「そうです、勇者様。その力を使うことで、あなた自身がこの封印の未来を決めるのです。解放するのか、それとも抑え続けるのか……」


「ふざけるな!」俺は剣を構え直し、男に向かって突進した。「お前の好きにさせるわけねぇだろ!」



---


黒装束の男は手をかざし、闇の魔法を放ってきた。黒い光弾が次々と飛び交う中、俺は剣聖の力を解放してそれを切り裂いていく。


「やっぱりその力……素晴らしいですね。勇者様、その力を封印の解放に使えば、この世界は新たな秩序に包まれるのです!」


「黙れ! お前の言う秩序なんて、誰も望んでねぇ!」


俺は怒りに任せて剣を振るい、男を追い詰めていく。しかし、男の周囲には霧のような闇が広がり、完全に捉えることができない。


「エリス、どうにかならねぇのか!?」


「勇者様、石碑を安定させるためには、黒装束の者を排除しなければなりません! 彼がこの空間全体を不安定にしています!」


「簡単に言うな!」

俺は剣を握り直し、さらに攻撃を仕掛けた。その時、背後からエリスの光の魔法が飛び、黒装束の男を直撃した。


「ぐっ……!」男は少し怯んだが、すぐに姿勢を立て直した。「あなたたちの努力は無駄です。封印はもはや止められない……!」



---


その瞬間、石碑の光がさらに強まり、空間全体が揺れ始めた。

「おいおい、これ、本当にヤバいんじゃねぇか!?」


「封印が壊れる前に、勇者様が力を注ぎ込まないと……!」エリスが焦った声で叫ぶ。


「俺の力って……どうやって注げばいいんだよ!」


「剣を石碑に向けて、その力を解放してください! でも、加減を間違えると……!」


「わかったよ! やるしかねぇんだろ!」


俺は剣を掲げ、全身に剣聖の力を宿らせた。「これで終わらせてやる……!」


剣から放たれた光が石碑に注ぎ込まれると、空間全体が眩しい光で包まれた。黒装束の男が驚いたように後退しながら叫ぶ。「何をしている……!?」


「これ以上お前らの好きにはさせねぇ!」


剣の光が石碑に浸透していくにつれ、魔法陣の動きが静まっていく。空間の揺れが収まり、石碑は再び静かな状態を取り戻した。


「封印が……安定しました!」

エリスが安堵の声を上げる。


黒装束の男は悔しそうに歯を食いしばりながら言った。「勇者様……その力、いずれ私たちが手に入れるでしょう。それまでどうか、ご覚悟を」


そう言い残すと、男は闇の中へと消えていった。



---


「ふぅ……これで終わりか?」俺は剣を下ろし、息を整えながら言った。


「はい、封印は無事です。でも、まだ完全に安全とは言えません……」

エリスが少し不安そうな顔をしながら答えた。


「まったく、厄介なことばかりだな……」


俺たちは疲れた体を引きずりながら、影の城を後にする準備を始めた。だが、これが本当の終わりではないことを俺もエリスも感じていた。



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