魔女の一撃を受けた老剣士、魔法の力で更なる高みへ
魔女の一撃
痛みは新たな力の兆しだった
むかしむかしあるところに、剣の達人、黒田源次郎が住んでおった。
源爺は村の守護者としてその名を知られていた。
年齢は70を超えていたが、彼の剣技は衰えることなく、若者たちの尊敬を集めていた。
ある日、村の祭りで一世一代の舞を見せるために、源爺は最も華麗な剣舞を披露しようとした。
しかし、その瞬間、腰に激痛が走った。
「ギックリ腰か……」と、源爺は苦しみながら呟いた。
源爺は自宅に戻り、床に横たわった。痛みは治まらず、絶望の中で目を閉じた彼の前に、不思議な光が現れた。
それは、彼の祖父が伝えたという「古の魔法書」から放たれる光だった。
長年忘れ去られていたその書物が、今、源爺に呼びかけていた。
「お前はまだ戦える。魔法の力がお前を導く」と、光は語った。
源爺は驚きながらも、痛みに耐えながら書物を開いた。
そこには、彼が知らなかった魔法の言葉が書かれていた。
源爺は、その一つ一つを唱え始めた。
「風よ、我が腰を癒せ」と唱えると、風が彼の周りを吹き始め、腰の痛みが徐々に和らいだ。
源じいは信じ難い思いで腰を動かしてみた。
痛みは消えていた。
魔法の力を持つことで、源爺は新たな使命を感じた。
村を脅かす盗賊団が現れ、村人たちが不安に震えたことがあった。
源爺は剣の技だけでなく、魔法を使って盗賊団に対抗した。
「地よ、我が剣を強化せよ」と唱えると、剣が光り輝き、通常の何倍もの力を発揮するようになった。
盗賊団たちとの戦いは、源爺の新たな力を証明する場となった。
村を救った源爺は、ただの剣豪から「魔法の剣豪」として語り継がれる存在となった。
しかし、彼は決して自慢することはなかった。
「真の力は、助けを必要とする者のために使うもの」と、村人たちに語る源爺。
彼ののギックリ腰はその後も時折痛むことがあった。
魔法で痛みを癒す方法を知る源爺は、ぎっくり腰の再発を苦しみではなく、魔法を学びより強くなるきっかけと捉えていた。
源爺は、自分の経験を次世代に正しく伝えようと、魔法の書を改訂し、新たな章を書き加えた。
「痛みから生まれる力」という章だった。 村の子供たちは、その物語を聞くたびに、自身の弱さが強さに変わる可能性を信じるようになった。
こうして、剣の達人は新たな伝説を紡ぎ続け、村人は平和に暮らしていくのでした。
おしまい
冬は腰の痛みが再発するのです