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未来から来たトカゲ

「サム!ジャック!せーので取れた昆虫見せあおうぜ!いくぞ、せーの!」

一斉に開示された三人の虫かごの中には、それぞれなかなかのものが入っていた。

サムはなかなかお目にかかれないオニヤンマを、ジャックは七色の光を放つ玉虫を、それぞれ捕獲していた。一瞬の静寂が訪れたのち、ジャックが言った。


「これは甲乙つけ難いな。サムのオニヤンマはとても力強いし、ケイのカブトムシもでかくてかっこいい。俺の玉虫だってダイヤモンドのような輝きを放っていてとっても美しい。」


サムもそれに同意して、

「本当だぜ。ジャックはまだしもとしてケイはこういうの得意じゃないと思ってたから大したもんは取ってこないと思っていたが、まさかここまでのカブトムシをもってくるなんて。すげえよ、ケイ。」

「おいおい、俺だってやるときはやるぞ。」

とケイは思わず言い返す。

「まあ今回は引き分けか。ところでケイ、お前のすぐ後ろにある卵みたいなのってなんだ?」

そうジャックに問われたケイはウサイン・ボルトもびっくりの速さで振り向き驚愕した。

なんとそこにはしっかり元の場所に戻したはずの卵のようなものがしっかり鎮座していたのであった。

あまりのことに恐怖と衝撃で声が出なくなったケイに、サムが

「おいおい、急にどうしたんだよケイ。幽霊でも見たみたいになってよお。ビビりすぎててウケるぜ。」

と煽ってくる。

その嘲笑すらもケイの心に届かなかった。

「ケイー、おーいケイさーん。聞こえてますかー?しっかりしろー。」

ジャックの声でケイはようやく正気を取り戻した。

「ああ、ありがとう。ジャック。冷静になれたよ。なんでここまで驚いたかっていうと俺はこれをここまで持ってきてないんだ。一度手に持ってみたけどあまりに不自然で気味が悪かったから元の場所においてここまで来たんだ。なのにこれは勝手についてきた。」

ケイの言葉を聞いたサムとジャックは一瞬二人で顔を見合わせてからケイの方を再び見て、

「ぶーはっはっはっは!そりゃおもしれえなあ。本当におもしれえよ。」

「ああ全くだね。ケイが頑張ってでっち上げたホラーとしては過去最高だよ」

と二人そろって大爆笑して、ケイの言葉を全く信じていない様子だった。

「本当だって。信じてくれよ。俺のじいちゃんに誓って事実なんだ!」

ケイがそう必死に訴えると、さすがにサムとジャックも少しは信じたようだ。

「じゃあそれを信じるとして、それはなんだよ。どう見てもただの卵じゃんかよ。それのどこに不自然なとこがあるっていうんだよ。」

ジャックが問う。

「持ってみたらわかるけど明らかに重すぎるんだよそれ。サムの家にあったダンベルくらい重いんだ。」

「へー、どれどれ・・・っておっも!ありえねえよこれ!サムも持ってみろって!」

これ以上持っていたくないといわんばかりにジャックは卵のようなものをすぐサムに渡した。

「ほーん、これは確かに重いな。卵の重さじゃない。5kgは少なくともあるぞ。なんだこれ。」

サムは結構平気そうな顔で持っている。さすがの筋肉だ。

「この卵割ってみて中身を確かめようぜ!」

突然ジャックがそう提案してきた。あまりにも危険にみえるその提案はケイには受け入れがたいものだった。しかし、

「そうだな。この訳のわからないもんが何なのか、気になってしょうがない。」

と、サムが同意してしまったのだ。さすがにどうしようもないのでケイも割ることを承諾した。

それから三人は卵が割れそうなちょうどいい感じの石を探した。ものの十分ほどでいい感じに硬そうな石を発見し、ジャックが割ることとなった。

「じゃあいくぞ。オラっ!」

卵もどきに石を叩きつけたはずだったが、卵もどきには傷ひとつつかなかった。

「貸してみな。俺がやるから。」

そういってサムが石を取って同じように叩きつけたが、またしても傷ひとつつかなかった。

「何だよこれ・・・全然割れないどころかひびすら入ってないって・・・。」

得体の知れない未知のものとの遭遇にサムとジャックの二人も動揺しているらしい。

 と、その時卵もどきをぐるりと一周するように青い線が表面に出現したかと思うと、その線のところからぱかっと上に卵もどきの殻が開いた。そして更に小さな穴ができたかと思うと、そこからアリのような大きさの何かが出てきた。そして一瞬の内にそれは30㎝ほどまで巨大化し、そこには宇宙服のような装備に身を包んだ二足歩行をしているトカゲのような生き物が立っていたのだった。


「先ほどから私の船に攻撃を加えていたのは君たちかな?」


そのトカゲは三人にそう語りかけた。


「何言って・・・その卵みたいなのが船?そんなわけがない。僕らを騙そうとしたってそうはいかないぞ。」

ジャックは思わずそのあまりに奇々怪々な主張に強い否定の言葉を浴びせるとともに、己の意識がしっかりしていることを確認しようとする。何せ急に目の前に喋るトカゲが現れたのだから。

「すみませんでした。珍しい鳥の卵だと思っていたので。中に誰かがいるなんて思いもしませんでした。」

ケイはトカゲに対してそう謝罪したが、同時に内心では何者かわからないそのトカゲに対して軽い恐怖を抱いていた。そんなケイの不安を感じたのか、

「おい。あんたが何者なのかは知らないが俺の友達に何かしたらただじゃ済まさないぞ。」

そうサムがトカゲに対して威圧した。だが、言葉とは裏腹に彼の肩はふるふると震え、勇気を振り絞ってその台詞を喋っていることがケイにもありありと感じられた。そんなサムを見て何かを察したのか、

「ああ、どうも何か私は誤解されているらしいな。そこについては安心してくれて構わないよ。我々はこの時代の地球を侵略しに来たとか、宇宙から来た侵略者であるとか、そういうことは決してない。この私のしっぽに誓おう。」

そうトカゲは弁明した。

更に、

「君たちが我々の船を攻撃したことを責めているわけでもないんだ。あれくらいの攻撃で壊れるようなら時空間ワープになんて到底耐えられないからね。むしろその未知に対する探究心と勇敢さを評価しているんだ。君たちが我々のための協力者になってくれるんじゃないかと期待しているんだ。」

そう続けた。


 ケイは先ほどからこのトカゲがワープだのこの時代の地球だのとやたら現代日本にそぐわないことばかり言っていることに疑問を募らせていた。このトカゲは一体何者なのか、この時代の生物ではないのか、そもそも地球の生物なのか、謎は尽きなかった。

「トカゲさん、あなたは何者なんですか?そんな唐突に目の前に現れて勝手に期待されても・・・。」

ケイはトカゲにそう問いかける。

「自己紹介がまだだったね。私の名は・・・そうだな、マスターとでも呼んでくれ。この時代から約三千年後の未来から来たインテリトカゲさ。何か他に質問があるなら聞いてくれ。なければこの時代に来た目的を話すよ。」

マスターの話を聞いてジャックが真っ先に質問した。

「なんでトカゲが喋れるんだ?人間達はどうなった?」

「この時代から約二千年後の時期に、人間は人間以外の生物をより高度な生命体へ進化させる技術を開発し、多くの人でない哺乳類や爬虫類が高度な思考能力を手に入れた。私のようにその中でも特に優秀だった個体は言語能力までも獲得した人間以上の生命体へ進化したんだ。知能指数も人間とは比べ物にならない。この時代にはIQという人間の頭の良さをある程度数値化したものがあるが、それで表すとIQ300を大きく超える。そのような状況でも人類は産み出した生命体に対して危機感を持たずに研究を継続していた。しかし、私が元いた時代で、遂にその危機は現実のものとなった。”ゼロ”という私以上に賢い知能を持った生命体が暴走を開始したのだ。」

信じられないようなことをトカゲが語り出した。いきなりドラえもんみたいな世界観だ。そんなケイに構わずマスターは続ける。

「私は未来滅亡の危機を救ってくれる協力者を求めて過去へとやってきた。未来の生命はそのほとんどがゼロの支配下にあり、過去にしか希望がないからだ。どうだろう、私は君たちのような勇敢な少年に協力してもらいたいと思っているのだが。未来の世界に来てくれないだろうか。」

「マジ?俺たち未来に行けちゃうのか?」

ジャックは大冒険の予感に胸を躍らせているようだった。

「未来でヒーローになるってのは悪くないな」

とサムも力こぶを作る。

ケイはそんな二人に言った。

「僕は行かないよ。」

二回目ですね。

未来行きを断ろうとしたケイ。その真意とは


次回は未来滅亡計画の全容が明らかに

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