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アイマイミ(曖昧み と I my me 、別にどちらでも良いのでお好きな呼び方でどうぞ)

作者: ライス中村


どうしようもなく嫌いなものがあるから

僕にとっての好きなものが余計にハッキリする

僕以外の誰かが今日も死ぬから

僕が今日も生きていることが余計にハッキリする


相対と比べっこが頭の中に巣食っているせいで

この世の中の絶対を探すのは難しい


例えば、猫は猫以上の何物でもないから絶対だろうか

でも猫は、犬や虎みたいな

「猫以外」と比べると猫なのであって

猫たる絶対的理由を言えと言われると困ってしまう




アインシュタインさんの相対性理論いわく

絶対は「光」で、それを基準に世界は伸び縮みする

デカルトさんの方法序説によると

絶対は「私」で、それ以外の世界は酷く覚束ない

だからアインシュタインにとって

「私」は絶対ではないし

だからデカルトにとって

「光」は絶対ではない

光も私も、どこかでは相対的なものになる



色々から予想すると

絶対は一人一個だけ持つことが多いらしくて

こういうことを考えるのに疲れた人は、

「神様」を絶対にしたり

「仏様」を絶対にしたり

「神様や仏様がいないこと」を絶対にしたりして

無理矢理に終わりを作る


僕もなんだか疲れてきたから

「この世の全ては相対的であること」を

絶対にしようとした


けれど それに世界を当てはめると

この「この世の全ては相対的であること」

という考え自体も相対的でなきゃいけないわけで

なんて自分は間抜けなんだろうと気づく羽目になる


「絶対を決める」ことだって

「絶対を決められない」今の状態があるから

それだってやっぱり相対的だ


相対的なんて考え方を捨ててしまえばいいのに

僕は今日もこれに固執している


あなたの絶対はなんだろうか 教えておくれ

なんなら、あなたが僕の絶対になってくれてもいいよ


とか言って結局お茶を濁そうとする

これが僕の非常に悪いクセだ

僕はこの世の他の誰かさんにに比べて

相対的に随分と随分と面倒くさがりでした



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