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いつか世界を愛せるように

いつか世界を壊せるように マリオネットの少女の願い

作者: リィズ・ブランディシュカ



 いつか世界を壊せるように。


 その少女は願う。


 今はできなくても、いつか壊せるようにと。


 ただただ祈り続ける。


 少女は力がなく、何もできなかったから。


 その少女はマリオネット。


 都合の良い家の道具。


 自分の意思など何もならないから、誰かに操られるだけの人生を送っていた。


「それなら私じゃなくて、ただの人形でも良いでしょう?」


 少女は次第に生きる意味を見出せなくなった。


 しかしそんな少女に手を差し伸べる、存在がいた。


 太陽のように眩しい笑顔の少年。


 彼がいつか、少女を解放すると約束したのだ。


 しかし少年は、少女を取り囲む大人たちの手によって殺された。


 だから少女は、自分を取り巻く環境に絶望し、憎んだ。


 いつか世界が壊れるように。


 自分にその力はないけれど。


 何でもいいから世界が壊れるようにと。


「おとぎ話にある邪神でもいい。隕石が降ってくるのでも構わない。なんでもいいから、この下らない世界を滅ぼしてほしい」


 いつか世界が壊れるように。


 少女は最後まで、それだけを願いながら、自分の人生に幕を下ろした。



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