ゆいが消えた時~2通目の手紙の考察
考察文は、最初の?の部分を解く構成となっております。
自分で考えたい人は、そこを見て考えてからでも面白いかと思います。
2通目の手紙の考察
団子屋さんの七時になる前くらいにゆいを見た。という発言は本当なのだろうか?
「太鼓って結局何分くらい早まったんでしたっけ?」
「二十分くらいじゃったよ」
この事から、太鼓の予定時間が七時。当日太鼓が始まったのは、二十分早い六時四十分だった。
もし仮に、ゆいを目撃したのが太鼓の始まった頃だったとしよう。
そうすると実際は、六時四十分くらいという事になる。
だが、その人が時計を見ていなかったとすると、その時は太鼓の予定時間七時くらいだと錯覚する。そして、その人が七時と証言してしまってもおかしくないだろう。
団子屋さんもそう錯覚して、誤った事を言っているのかもしれない。
団子屋さんは、時間が早まった事を聞いたら、全然気が付かなかった。と言っていた。
という事は、団子屋さんがゆいを見た時間は間違って証言しているんじゃないか。
もしそうだとすると、実際に、ゆいを見たのは六時四十分より前という事になる。
また、「テントにいたから、見えなかったんじゃろう」
「やっぱり、見えにくかったんだねえ。うちもあんまり売り上げが伸びんかった」
この発言から、団子屋さんのやっていた屋台は、テントの近くにある事がわかる。
ゆいが中学生を呼んできてくれていた事を聞いた団子屋さんは、
「なんや、その後見かけんかったから、こけたりしてないか心配してたんよ」と言った。
団子屋さんはテントに近いのに、太鼓をやっている時間にゆいを見ていない。
しかし、この仮説が正しければ、太鼓の時にゆいを見たという町会長は嘘をついていて、団子屋さんは勘違いしている事になる。
ゆいは中学生と追いかけっこしていたのではなく、中学生に追いかけられていたのではないか。
それがゆいの行方不明に関係していて、それをかばおうとしているのか。
だが、1通目の手紙で考察した、巾着を犯人が掛けたものだとすると、中学生は考えにくい。
最後まで見ていただきありがとうございます。