表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/80

ゆいがいなくなりました。森で見つけた巾着~1通目の手紙

手紙と考察文は1通分に付き分けて投稿します。

この間まで、1通の手紙を3回に分けてしぶって投稿してた。

 神様へ 

 

 ゆいにもう一度会わせてください。 


 夏休みが終わって、9月1日、学校に行った。


「颯太達がゆいの事をからかっていたから来ないんじゃないの?」

 学校の行き道で、唯花にそう言われた。

 

 ゆいは僕達4人より年下で、いつもいじられキャラだった。

 でも、ゆいが気にしていると思ってからは、僕はからかうのをやめていた。


 よくからかっていた僕と湊斗、彰で話し合って、4人で謝りに行く事になった。



 学校から帰る時、校門に先生がいっぱいいた。

 その中で、ゆいのお母さんが何か叫んでいるようだった。


 ゆいのお母さんは、僕達を見ると、こっちへかけ寄ってきた。

 僕の両肩を持って、前にしゃがんだ。


「ゆいは! ゆいは今どこにいるか知らない?」


 僕達は、目を合わせた。

 

 すぐに先生達が、ゆいのお母さんを連れて行った。


「何もないから大丈夫だよ?」

 校長先生が僕の顔をのぞいてそう言った。


 

 僕達は、その場を急いで離れた。


「家に帰っていなかったのか?」

「そうみたいだね」

「僕達が原因で、ゆいは家にも帰ってないのかな?」

「先生にも、バレるかな?」

「とりあえず、僕達で先にゆいを見つけよう。それで先に謝ろう」


 僕達は、ゆいの行きそうな場所をまわって、よく行く森へ来た。

 

 僕が先頭で歩いていると、急なくぼみがあった。

 ここに大きい岩がなければ、今頃、つまずいて落ちているところだった。


 下を確認して、鳥肌が立った。


 斜面の下に、血が付いている石を見つけた。

 その上の木には、ゆいがあの日持っていた巾着がかかっていた。



 夏休みに、5人でお祭りに行った。

 湊斗が、屋台の物をたくさん食べるために「みんなで分けて食べよう」と言って、いちごあめを分ける事になった。


 僕が、ゆいにいちごあめを渡そうとした時、いちごあめが落ちてあめが割れてしまった。

 僕はゆいに「ちゃんと持ってよ」と言った。

 彰も「ゆい、落とすなよー」と言った。


 その後、ゆいとははぐれてしまった。

 探しながらお祭りをまわっていたけど、ゆいとは会えないままだった。


「もう遅いから帰るんじゃよ」

「でも、ゆいとはぐれちゃって……」

「きっともう帰ったんじゃないか?」

「そっか。町会長さん! さようなら!」

 最後に会ったのはその時だった。



 その次の日、学校でゆいは引っ越して行ったと言われた。

 

 絶対にウソだと言いながら、僕達はゆいの家に向かった。

 ゆいの家の前で、ゆいの両親が引っ越しのトラックに荷物を積めてもらっているのを見た。


「……本当に引っ越すの?」

 僕達は、ゆいのお母さんの所に行った。


「うん。この間はさわいでごめんね。私、かん違いしてたみたいで」

「ゆいは?」

「ゆいは、先に行ったの」


 僕達は、少し遠くで引っ越していくのを見ていた。

「何かあった?」

 

 高等部の制服を着たお兄さんが話しかけてきた。

 僕達が小さい頃によく遊んでもらったお兄ちゃんだった。

「颯太、ゆいのお母さんはなんて言ってたの?」

「引っ越したって言ってたけど、絶対ウソだよ」

「その子は?」

「先に行ったって言ってた」


 お兄ちゃんはスマホで、写真を見ていた。

 その写真は、玄関でゆいのお母さんと男の人がだき合っているみたいだった。男の人は背中しか写っていなかったけど、なんだか見覚えがあるような気がした。


「あ、そうだ。お兄ちゃん、巾着取ってよ」


 僕達は、お兄ちゃんに場所を案内して、巾着を取ってもらった。


「あっ! 背伸びしてる」

「うるさいなあ。これでも背は高い方だよ?」


 お兄ちゃんはそう言いながら、彰をくすぐっていた。


 湊斗と目が合って、口パクで何かを伝えようとしてきた。

 何だろうと思っていると、後ろから音がした気がした。湊斗はその事を言っているようだった。


最後まで読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ