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魔法の訓練2

【魔法の訓練2】


 魔法の訓練は私にも役立った。

 今までは4属性魔法の初歩しか発動できなかった。

 今ではバリエーションが少し広がった。


 例えば、火魔法だと『ファイア』しかできなかった。

 魔法書を読むことで、『ファイアボール』単体攻撃と

 範囲攻撃などが追加された。


「ボスの魔法って威力が凄いよな」


「俺たちのファイアなんて、ポッとしか火がつかないけど、ボスのはゴーって感じだもんな」


「ファイアボールもすげーよ。俺のはポテッて感じだけど、ボスのはすっ飛んでいくもんな」


「あとさ、ボス、詠唱しねーじゃん。シスター、あれどうやんの?」


「それも訓練ですよ。毎日訓練を重ねることで、詠唱が体に馴染むのですよ」


「そういや、シスターも水魔法、無詠唱だよね」


「私は学院で学んでいるときは詠唱が必要でした。でも、卒業して教会に入って毎日祈りとともに訓練を重ねてきました。それである日、無詠唱でも水魔法が飛び出したんですよ」


 なるほど。

 魔法は外国語の取得に似ている。

 きれいな発音ができるようになると魔法が発現する。

 ネイティブのように自然に話すことができるようになると

 無詠唱で魔法を発動できる。



「でもさ、回復魔法は詠唱するよね?」


「ええ。回復魔法はとても難しくて、無詠唱で発動できる人は滅多にいません」


 後年知ったのだけど、無詠唱どころか、

 教会関係者でも回復魔法を発動できる人は少ないという。


 ちなみに、回復魔法を発動できる人は

 多くが教会に入ることになる。

 教会の中では出世が約束されるのだが、

 そのかわり職業の選択肢は少ない。

 ほぼ強制的に教会へと送り込まれるからだ。


 もっとも、教会に就職できることは誉であり、

 嫌がる人は滅多にいない。


 前世日本では考えられないぐらい、

 教会は人々の生活に根付いている。


 後ほど説明することがあるかもしれない。



「シスター、魔法が発現したあとはどうすれば?」


「みんなそれぞれ違う属性の魔法が発動したでしょ?それがあなたたちの魔法属性」


「おれ、ファイアーだから火属性ってこと?」


「そうですよ。普通はその属性に沿った魔法の訓練を続けるわけ。まずは、ファイアーなら火を強くすることに集中することね」


「ファイアーボールとか撃てるようになる?」


「勿論!でも、そのためには火魔法の訓練だけじゃなくて、いろいろな勉強が必要かも」


「勉強って?」


「国語とか算数とかよ」


「算数がなんの関係あるんだよ」


「魔法が難しくなると、言葉の意味も難しくなります。その言葉を理解するには今使っている国語の学習が必要ですね。それと、高度な魔法になるにつれて、論理能力とか数理能力とかが必要になります。それを鍛えるのが算数とか数学」


「ごめん。シスター、何言っているのかわかんねー」


「今私が話した内容を理解できるようになって初めて高度な魔法が身につくってことよ」


「えー」


「例えば、1足す1は?」


「2」


「馬鹿にすんなよ」


「じゃあ、16足す25は?」


「いきなり難しくすんなよ!」


「43」


「36」


「41」


「はい、正解しました。41です」


「おお、やるじゃん」


「へへ。昔は全然わかんなかったけど、だんだん暗算でできるようになってきた」


「そうよ。彼のように、学習が進んでいくと段々と難しいことができるようになってきます。魔法も同じよ」


「おー」


「だから、あわてず、ゆっくり確実にいろんなことを学んで行くのよ」


「金持ち連中は小さい頃から家庭教師とか高等学院とかだもんな。金かかってるし、努力も半端ねえーよな」


「そうですよ。それに追いつくには、みんなの地道な努力が必要なのですよ」


「ウゲー、甘くねーな」


「何言ってるのですか。これだけ短期で魔法が発動できたんだから。みんなには才能があるのよ。才能がなければどれだけ努力してもだめなんだから」


「金持ちでも?」


「そうですよ。全員が魔法高等学院に行けるわけじゃないのよ。才能がなければ家を継げなかったり、追い出されたりすることもあるわね」


「うわっ、厳しすぎる」


「特に上流階級は魔法が使えないと駄目ですからね」


「じゃあ、私たちも上流階級行けるってこと?」


「強力な魔法が使えるようになれば、魔法高等学院に特待生も狙えるし、軍とか教会に有利に就職できるわね」


「おおー」


「無理だとしても、強い魔法が撃てると街の警備隊とかで出世できるわよ」


「やるっきゃねーな」


「じゃさ、ボス…エミリは賢いってこと?」


「そうね。魔法の強さとかすぐにいろんな魔法を展開できることからもかなりの学力の持ち主ね」


「ボス、どこで勉強したんだよ」


「持って生まれた天才ってこと?」


「そういうことね」


 チートでごめん。

 転生特典でもらったんだ。

 私自身はおバカよ。


 ※これは半分正解で半分誤りである。

  エミリ自身は前世日本で特別賢いわけではなかった。

  しかし、前世日本で中学を普通に卒業しただけで、

  この世界ではかなり賢いことになるのだ。


  例えば、この世界では九九も満足にできない。

  それに、エミリは外見は10歳でも

  頭脳は20代の大人である。多分。


 

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