体を洗いたい
【体を洗いたい】
さて、お腹は膨れた。
寝るところも確保した。
次は体をキレイにしたい。
「お風呂?そんなの金持ちの家にしかねーよ。井戸で水汲んで、体を拭きなよ」
「石鹸?そんな高級品、あるわけねーだろ」
ああ、困った。
お風呂は魔法でお湯を出せるかもしれない。
でも、石鹸はどうしよう。
私は前世では敏感肌で普通の石鹸では肌に合わなかった。
だから、石鹸・シャンプー・コンディショナーの類は
結構試したしいろいろ調べた。
愛用していたのはオリーブ100%の無添加石けん。
しかも自作。
頭もそれで洗っていた。
石鹸シャンプーというと、無条件に嫌がる人が多い。
でも、私のは違う。
洗った直後はゴワゴワでも乾くとしっとりつやつやになった。
無香料だから、自分の好みで香りをつけられる。
このへんは人によりけりなのかもしれない。
少なくとも、私の髪にオリーブ石鹸は良かった。
だけど、転生してしまった。
お風呂に入りたい。
体を洗いたい。
不思議なことに、転生してから数日。
体は汚れているはずなのに、
見た目汚くない。
変な臭いもしない。
そういえば、今着てる服一式。
不自然なぐらいキレイ。
まるで洗ったばかりって感じ。
もしかすると、チートな効果があるかも。
全然汚れないっていう。
体は拭くことにした。
井戸の水は不要だった。
私の指からお湯が出る。
最初は沸騰したお湯が出て大変だったけれど、
なんとか温度調節できるようになった。
バスタブを満たすような量は出せない。
バケツ程度の量ならなんとか出せる。
4属性魔法なんていらないっ、て思ってたけど、
ちょっとだけ神様に感謝する。
ハゲって言ってゴメン。
それにしても石鹸どうしよう。
作るのは難しくない。
木とか燃やした灰に水を入れて一晩おく。
上澄みを温めて、同じく温めた油を混ぜるだけ。
ぷよぷよの石鹸ができる。
固形石鹸じゃない。
固形石鹸は難しい。
材料を手に入れるのがかなり難しい。
でも、上記の方法にしても、
この世界では油が高いらしい。
お金を稼ぐか、油を自分で採取するか。
どっちにしても今はムリ。
「コウスイ?何言ってるんだ?」
「いい香りがするもの」
「んなもの聞いたことねーよ」
「私、知ってるよ。香水。香る水。お金持ちが体にふりかける液体」
あー、香水類も期待薄かー。
アロマっていうか、花の香り採取は、
少しだけやり方を本で読んだことがある。
アロマ ディフューザーを部屋において、
香り楽しんでたし。
私って文化的。
仕事がブラックだったから、
とにかくストレスを和らげたかったんだよね。
でも、アロマ採取の器具ってこの世界にあるんだろうか。
あっても、超高級品よね。
香っていえば、この街。
臭い。
公園の汚いトイレのニオイ。
あと、ドブの臭いもする。
前世の日本でとっても清潔だったんだって、
実感する。
この臭いもなんとかしたいんだけど、
なれるしかないんだろうか。




