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イケメン友人多数襲来・お菓子づくり

【イケメン友人多数襲来・お菓子づくり】


「ギャー!」


「イケメン軍団!」


「この世のパラダイス!」


 バーナが何人か友人を連れてきた。

 全員見事なばかりのイケメン。

 北欧系の顔立ち・スタイルだ。


 きっかけは私が開拓村のことをバーナに話したとき。


「女性ばかりで、男が不足しているのよね」


「そう?それなら、僕の友達をつれてこようか。いい機会だし」


 という流れがあったのだ。

 

 バーナは自分のこと地元では普通、

 といっていた。

 じゃあ、バーナ以上のイケメンが?

 とは思ったし、本当にイケメンがやってきた。


 さすがにバーナ以上のイケメンではなかった。

 (なんといってもトム・ヒドルストンだし)

 でも、バーナばりのイケメンには変わりない。

 だって、みんな背景に花しょってる。


 だから、こっちでは阿鼻叫喚。

 村の男どもがブチブチなにかいじけているけど、

 そんなの気にしてる暇がない。


 イケメン嫌いの私も思わず目を奪われてしまった。

 いや、本当は私もイケメン大好きなのよね。



「えっと、料理教室?」


「ええ。みなさん、料理が上手だそうで、村のみんなに教えて頂けないかと」


 思わず、私もバーナに丁寧語で話してしまう。

 ちょっと動揺している。


 気持ちが上下しているのは、

 私も料理を習うからだ。


 バーナから料理の基礎的な指導、というか、

 精神的な治癒を施され、

 私も本格的な料理にチャレンジすることになったのだ。


 メシマズと言われ、もう何十年。

 いよいよ、私もメシウマに仲間入りだ!


 料理教室は女性だけではない。

 むしろ、男のほうが多い。


 そもそも、料理は3Kでもある。

 汚い、危険、きつい。

 汚いに関しては清潔さを保つようにしているだけで、

 本来は料理は汚れやすく、清掃まみれだ。


 長時間労働は当たり前だし、

 しかもプロになればなるほどかなりの重労働。



「で、教えるのはお菓子?」


 バーナの作った料理はすべて私達を驚愕させた。

 でも、なんと言ってもお菓子。スィーツ。


 クッキーを持ってきたときは本当に驚いた。

 前世日本基準でも美味しかったのだ。


「お願いします!」


 みんなの意気込みは非常に高い。

 イケメンが先生ということもあるのだけど、

 あのクッキーを自作できる。

 これには興奮する。



「素材が素晴らしいですね」


「そうだね。これほどのものは見たことがない」


「これだけでも、ここに来た価値があるというもの」


 イケメンたちも嬉しそうだ。


「まず、小麦。これは僕たちの地元からとりよせたお菓子用の小麦です。これをこの村の土壌と肥料をもって栽培しました。素晴らしい小麦を得ることができました」


 これは薄力粉だ。

 王国では強力粉>薄力粉という価値観がある。

 パン用の小麦は強力粉を使うからだ。

 だから、薄力粉用の小麦は好まれないし、

 栽培されていない。


「小麦粉としても素晴らしい。未成熟な小麦や砂やゴミなどを弾いて非常にキメが細かい」


 製粉装置は私が魔導具として作ったもの。

 すでに孤児院時代には製作していたけど、

 あれから改良を重ねている。


「玉子やバターも素晴らしいですね。特に玉子。臭みがなくて黄身の味が非常に濃い」


「砂糖はいわゆる砂糖の木の実から得られたものですね。私の地元にもありますが、おそらく最高級の砂糖です。純粋な甘みのみを味わえます」



「では、クッキー作成にとりかかりましょう」


「まず、室温に注意してください。長袖でないといられないような涼しさが必要です。バターを溶かさないためです」


「バターの温度管理は大切です。簡単にするのなら、バターを常温に戻して白っぽくなるまで泡立ててから砂糖、そして小麦粉を混ぜます」


「ただ、バターの風味を増すためには冷たいバターをゴムペラで適度な固さになるまで緩めます」


「そこに砂糖、そして卵を入れて混ぜていきます」


「最後に、小麦粉を投入します。ここが次のポイントです。ヘラで『1』の文字を書くようにざっくりと混ぜていきます。決して練ってしまわないように」


「みなさん、よく見てください。混ざりにくいですが、数分もすればまとまってきます。繰り返しますが、決して練らないように」


 小麦粉を練るとグルテンが出てしまい、

 クッキーが固くなってしまうからだ。

 天ぷらも同じようなアプローチをする。

 これもグルテンを出さないためだ。


「まとまってきたら、冷蔵庫で冷やしましょう。1晩くらいが理想です。最低でも1時間は必要ですね」


 クッキー生地を冷やすのは、特にバターを冷やすためだ。

 これが不十分だと、クッキーを焼いたときに形が

 崩れやすいし、カチカチのクッキーになりやすい。


「では、成形に移ります。ここに十分寝かした生地があります。もうみなさんわかりますね。生地を冷やしたままにすること。つまり、手で触りすぎないこと。手早く麺棒で成形していきましょう。繰り返しますが、生地を練ってはいけません」

 

「最後にクッキーの型抜きをしてオーブンで焼いてみましょう」



 クッキー1つとっても、随分とノウハウがある。

 私にはまだハードルが高すぎる。

 どうしても、力が入ってしまう。

 出来上がりはカチカチのクッキーになってしまうのだ。


「みなさん、何度も練習して少しずつノウハウを身に着けてくださいね」


 イケメンたちのクッキーは見事なものだった。

 同じ素材、同じ工程を踏んでいるはずなのに、

 できあがりに雲泥を差が出る。



 お菓子づくりはスポンジに移った。

 ここでは卵のほぐし方を学ぶ。

 ポイントはシャカシャカしすぎないこと。

 またもや、私には難しい注文だった。


 卵を壊さないように丁寧に素早く混ぜていく。

 そして、きめ細かい泡を作っていくことが大切だという。


 チョコレートづくりも大変だった。

 カカオの実を滑らかにするのは魔導具で行けた。

 でも、テンパリングという工程が難しい。

 チョコレートの温度を上げて、下げて、また上げる。

 その温度管理が繊細で、

 手作りチョコレートはたいていこの工程で失敗する。


「はあ。お菓子づくり、なめてたわ」


 一生懸命やれば、お菓子なんてどうにかなる。

 私はずっと思ってた。

 とにかく、ひたすら材料を混ぜて混ぜて混ぜきる。

 私はずっとそういうのがいいと思っていた。


 こんなに繊細だなんて。



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