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イケメンは料理好き

【イケメンは料理好き】


 イケメンが料理を始めると、

 教会中の人が集まってきた。


 この人、イケメンってだけじゃない。

 なにか人を引き付けるのよね。

 確かに、嫌味はない。

 謙虚。上品。

 話もしやすい。

 それに、お菓子も持ってきてくれる。

 ここ、大事なところ。


「簡単な料理で3品ほど作ってみました」


 といって出された料理。

 

 イカと彩り野菜のマリネ

 生ハムとクリームチーズ巻

 白身魚のカルパッチョ


 王国の食文化レベルを突き抜けている。

 ていうか、そんな材料をなぜ常備しているわけ?


 見栄えバッチリ。

 そのままSNSに投稿したい。

 食べてバッチリ。

 前世基準でプロ級。

 素材が物凄く新鮮で美味しい。


 白身魚は鯛みたいね。

 少し寝かせてあってモチモチしている。

 程よく分解されたアミノ酸が口中に広がる。

 しかも昆布締めかしら。


 これって、前世のわたしの大好きなショットバーの

 マスターの得意料理。

 白身魚の捌きはお寿司屋さんみたいだった。



「なんで、こんなに料理が上手なの?」


 メシマズを自覚する私には嫉妬心しかない。


「ワーキャー」


 集まって来た教会スタッフたちにも驚きの味で

 ものすごい騒ぎになった。



「あなたの地元が食の先進地域だってことがわかるわ」


「ああ、食事にうるさい方は多いですね」


 あれ?ちょっと顔をしかめた?


「あなたもどこかのお金持ち?」


「いや、僕は普通の市民ですよ。お金持ちなら自分では料理しませんよ」


 そうなの?

 でも、立ち居振る舞いには

 教養の高さがうかがえるわ。



「ねえ、その素材、購入させてもらえないかしら」


「いいですけど、王国のお金は使えませんよ。地元で他国の通貨を流通させるのは差し障りがありまして」


「あなた、王国の人じゃないのね」


「そう。結構遠くです」


 そういや、さっき出身地を隠したいような

 素振りをしたわよね。

 

「じゃあ、魔石はどうかしら」


「魔石?それはぜひととも欲しいですね。でも、そんなにたくさんの魔石があるんですか?」


「入手方法は企業秘密なんだけど、森で魔石を簡単にドロップする魔物を見つけたの」


「いいのですか、そんな大切なことを教えて」


「大丈夫。その魔物は簡単に見つからないから。それに私を拘束できる人はそんなにいないと思うわ」


「ああ。聖女様とか他にもいろいろ言われているみたいですね」


「聖女様の怒りとかね。黒い聖女様はおっかないのよ」


「はは」


「それに、あなたのもたらすものはそれに匹敵する価値があると思うの。砂糖や油を多用するお菓子をこんなに気軽に持ち込んでくるなんて、この王国じゃ考えられない」


「僕のほうこそ、お菓子と魔石を交換してくれるなんて願ったりかなったりですね。なんだか、僕のほうが得をしてるような気がするから、どうだろう。僕の地元で進めている農法を教えましょうか」


「ええ、こちらこそ申し訳ないわ。でも、教えて頂けると嬉しいわ。なんだか、あなたの地元って農業が随分と進んでいるみたいだし」



「あと、図々しいお願いなんだけど、ポテト、あなたのお国の言葉ではブランボリー、栽培しても大丈夫かしら」


「ええ。どうぞ遠慮なさらず。救荒食物ですからね」


「ああ、ありがとう」


「私の地元と王国とは交わることのない距離があるので、問題ないですよ」


 確かにじゃがいもは戦略的食物だ。

 飢えを解消する。

 だから、この手の食物は他国にもれないように、

 マル秘にしているところが多い。

 

 でも、交わることのないような距離がある?

 このイケメン、どうやって王国に来てるのかしら。


 ずっと長期滞在をしているのか。

 それとも、私みたいに転移魔法を使ったりして。

 謎のある人ね。


 まあ、個人の深掘りはやめておこう。

 今のところ敵じゃないみたいだし。

 彼も地元に関してはぼかしてるし。


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