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薬、大評判

【薬、大評判】


 薬に関しては、魔石回復薬だけではない。

 いろいろなレシピがバロー家の古代書に載っていた。

 覚えきれないので、ごっそり本をパクってきた。


 薬だけじゃなくてめぼしいのは全部持ってきたのだけど。

 だって、どうせ彼らは読めないのだから、

 私が活用してあげます。



 魔石回復薬も色々な種類があった。

 最高級になると、伝説のエリクサー級。


 死人を生き返らせたり、

 欠損分を回復したり、ということはできないけれど、

 多くの致死性の病気や怪我に効果が高い。



 この魔石回復薬を薄めて、

 既存の薬と混ぜたりして安価に薬を提供している。


 ただの回復薬とか、

 風邪薬とか。

 痛み止めとか。


 中身はあんまり変わらない。

 魔石回復薬にそれぞれの薬効成分を混ぜているだけ。


「エミリの薬ってさ、頭痛止めとか熱冷ましとかいろいろな効果別で売ってるけど、どれも一緒だよな」


「だよな。前、下痢したんで適当にエミリの薬飲んだら、ピタッと治ったんだけど、それ目薬だったぜ」


「俺なんか、歯痛の薬飲んだつもりが水虫の薬だったよ。まあ、治ったんだけど」


「蕁麻疹が出たときに飲んだ薬は便秘用の薬だったぜ」


「ほんと、エミリの薬ってなんでも万能薬だよな」


 いや、そんなことはないと思うんだけど。


 この世界の人は薬慣れしていない。

 だから、ちょっとした薬でも効果が高い。


 ◇


「でも、安価で助かる」


「うん。安価で万能薬だから、飛ぶように売れてるよ」


 この薬は私がいなくても販売できるようにした。

 前世日本で言えば、

 コンビニで売っている薬みたいなもの。

 薬効は最低限。

 それでも効果はかなりある。


「まあ、私の薬、強い薬だと確かによく効くんだけど、効きすぎるのもよくないことがあるのよね」


「そうなの?」


「副作用が出たり、強すぎて逆効果になったり」


「ああ、だからエミリがいちいち診察するんだ」


「そうよ。適切な薬を渡さないと、まずいからね」



 効果の高すぎる薬に関しては、

 私が山奥の大賢者の弟子ということにして、

 大賢者が魔法スキルをいろいろ私に与えた、

 ということにしている。


 大口販売は基本的にしない。

 というか、できない。

 教会の目があるから。

 教会って、教会の上層部の話ね。


 教会は薬師ギルドを統括している。

 私だけが大賢者の弟子、という触れ込みで

 独立販売をしているのだけれど、

 それって、黒に近いグレー。

 だから派手に売るわけにはいかない。


 軍からもたくさん大口注文が入ったんだけど、

 断るしかなかった。

 

 効能も凄いし。

 他の薬を駆逐しかねない。

 というか、他の薬師の薬にダメージが出ている。

 なんで高くて効果が低いんだってね。



 薬効の緩い薬は別段も知識がなくとも、

 副作用は出ないし、非常に良く効く。

 だから、孤児院教会のほうで販売している。


 孤児院教会の万能薬と評判が広まった。


 そして、それ以上の薬が必要な患者の場合は、

 気軽に販売するわけにはいかない。


 病状にあった薬を処方しなくてはいけないからだ。

 薬効の強い分、副作用も激しいから。


 つまり、診察した上で薬を処方する。

 となると、1日に多くの患者をみることができない。


 病院へは近隣からもたくさんの人が訪れるようになった。

 朝の4時には並び始める。

 整理券を入手するためだ。

 この整理券は先着順。


 9時に開店。

 12時に休み、

 3時から再開して6時まで。


 対応するのは私だけではない。

 教会スタッフや孤児の中でも薬師志望や

 回復魔法に素質のあるものを中心に

 患者を診察する。


 例えば、以前最年少で水魔法が発現したマノン。

 彼女は魔法の才能もあるが、薬師としても有望だった。

 彼女にいろいろ教え込むと砂が水を吸収するように

 薬師として成長している。


 ただし、緊急を要する場合はその限りではない。

 その中でも重病患者は私が見ることが多い。


 大賢者の弟子様という名前が知れ渡ったが、

 最近では聖女様、という名前でも呼ばれるようになってきた。


 やめてほしい。



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