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学園生活1

【学園生活1】


 魔法高等学院の授業が開始された。

 魔法学、魔法実践、算数、国語、宗教学

 などの授業を淡々とこなしていく。


 レベルはいずれも高くない。

 特に算数は非常にレベルが低い。

 前世日本の小4レベルだ。


 肝心の魔法にしても、初歩すぎる。

 日本でも中1の英語、アルファベットから始める。

 それと同じ。

 魔法語(古代語)の文字の発音から始める。


 退屈で仕方ない。



 勉強以外も同じだ。

 私はまるでクラスに馴染めない。


 まず、初日に私につっかかってきた領主次男。

 彼を中心に男子グループができる。


 それと女子。

 クラス20人のうち、12人が女子だが、

 3グループに別れつつある。


 だが、いずれにも私の場所はない。

 4属性だとかで敬遠されていることもあるのだけど、

 そもそも話がまるで合わない。


 向こうはいわゆるハイクラスだ。

 貴族や富裕層の子弟ばかりである。


 それに対して、私は孤児ということもあるけど、

 転生者で精神的には20代ということになっている。


 確かに私は子供っぽいと思う。

 それにこちらの子供は前世よりも大人びたのが多い。

 それらを加味しても、さすがに差を感じる。

 だから、早くもクラスで浮き上がっている。



 特別ないじめがあるというわけではない。

 ただ、心無い言葉は男子からしばしば投げかけられる。


 女子は無視という感じだ。

 一般的に女性のいじめは陰湿と言われるが、

 ここではそんなことはない。

 悪意を感じないからだ。

 どう接していいかわからないんだろう。



 授業が全く面白くないのと、

 クラスでも会話ができないので、

 ストレスが溜まりつつある。


 それが私には肥満につながってきた。

 すこしずつ、太ってきたのだ。


「はあ。学校やめたいわ」


 こんな調子で1年が過ぎていく。

 授業は退屈。

 クラスメイトとは仲良くなれない。

 入学時のままだ。


 時々、私に声をかけてくれる女子がいる。

 でも、その度に男子の心無い声が飛んでくる。

 女子は孤立を怖れ、私に近づかなくなった。


 なんとか続いているのは、

 休みになるたびに孤児院に帰ることができるからだ。

 そこでリフレッシュして、次の1週間をのりきる。



 2年生になるとクラス替えが行われる。

 1年学期末の成績に基づき、

 クラス編成がなされるのだ。


 私はやっぱり1組だった。

 一応、学年最上位グループにいるらしい。


 ただ、相変わらず授業内容が簡単すぎて、

 あれでは成績を落とすはずがない。

 いま3年生に加わっても、

 多分最上位になるんじゃないか。


 だんだんと目が死につつあるのを自覚する。

 毎日が苦痛だ。


 だらだらと時が過ぎていく。

 こうして2年目も終わろうとしていた。

 私は学院では全くの無口になった。


 すっごい孤独を感じる。

 これなら、前世のブラック企業で

 目の隈作って働いていたほうがマシ。


 週末に孤児院に戻って活力を得て、

 その元気でなんとか学院生活を維持していた。



「どうだ、例の孤児は」


「孤立してますね。友達もおらず、ずっとうつむいているだけだそうです」


「うーむ、せっかくの逸材なんだが、上流階級には受け入れがたいか。成績はどうだ」


「それなりに、向上しているって感じですかね」


「入試では手を抜いているという話だったが」


「手を抜いているというか、やる気がないようです。まあ、特待生であるだけの成績は続けているのですが」



 そんなときに、領軍のエース、ソレーヌ閣下がやってきた。

 領軍で一番有名な軍人、女性だけど魔法・物理戦闘両面で

 類まれな能力を見せる人だ。


 生まれも文句のない血筋で、

 領主よりも力があると噂されている。


 来院理由は生徒の実践演習を観察するためだ。



「おい、例の4属性持ちの女生徒、とんでもない逸材だな」


「はっ」


「チラリと見ただけだが、能力のバカ高いのは一目瞭然だ」


「それほどですか」


「成績はどうなっている?」


「上の下をずっと続けています」


「上の下だと?変だな。彼女は飛び抜けているぞ。今すぐにでも領軍にほしいぐらいだ。どうなってる?」


「彼女は以前から力を抑えていると見られています」


「なんでそんなことする?」


「やっかみを警戒しているのだと思われます」


「ああ、下々のバカどもか」


「貴族の子弟とか多いのですが」


「階級とか関係ないぞ。そういう輩ほど、実力のあるものを妬むのだ」


「閣下、あまり大声では」


「しかし、もったいない話だな。学院では彼女を教育できんのではないか?」


「聞いたところによると、やる気を喪失しているという話です。学院を退学したがっていると」


「なんだと?そんなことになったら、学院長の責任問題になるぞ。彼女以外の3年生全員を退学させたらどうだ?」


「閣下、それは無茶というもの」


「なんなら、彼女以外を殲滅させるぞ?」


「閣下、それだけはご勘弁を!」


 ソレーヌ閣下は殲滅好きだった。


「全く、かような下賤なものどもでも卒業後は指導者になっていくのだ。勘弁してほしいな」


「閣下、そんな大声では」


 

 そのようなぶっちゃけ話が行われていたころ、

 正直、私は参っていた。

 鬱かもしれない。


 でも、学院をやめると教会に迷惑がかかるかもしれない。

 そこだけが私を学院に置きとどめていた。


 そんな私のもとに王子様が現れた。

 私を庇ってくれる男の子が。


 彼の名前はダビド。

 バロー家の三男だ。

 子爵家である。


 草食系のかなりのイケメンだ。

 気持ちが弱っていたところに、

 優しく手を差し伸べられたため、

 私はコロリと彼に傾いてしまった。


 以来、私は彼と一緒にいることが多くなった。

 無論、いじめっ子連中には面白くない。


「バカ二人、お似合いのカップルだな!」


 例の傲慢領主の次男がそう毒を吐く。

 私のことだけなら我慢できる。

 でも、彼のことをを悪く言わないで!



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