前選考2~入学決定
【前選考2~入学決定】
「なんだと、4属性持ちだと?」
「計器の故障か?」
「いや、バックアップ用の機器も使用した。4属性持ちで間違いない」
「孤児院出身者にこんなものがいるとは」
「あれ?聞いてないのか?優秀な女の子が来るって話」
「いや」
「ちゃんと朝礼を聞いてるのかよ。ま、いいか。数値は?」
「いずれも、魔法高等学院レベルとしては平均というところか」
「ただ、担当者によると全力でやっていないようだと」
「なんでそんなことするんだ?」
「うーん、警戒心が強いのかな」
「孤児院出身で強力な魔法使い。妬み・嫉みが集中しそうだからな。本人が賢いのなら、自分の力を隠したくなるのもわからんでもない」
「まあ、いずれにせよ本人は領軍学校志望だが、却下だな」
「ああ。魔法高等学院がほっとくまい」
「4属性持ちなぞ、たいへんな素質だからな」
前審査の結果が出た。
私以外は領軍学校入試に挑むことが許可された。
私は?
魔法高等学院の入試に行けとな。
うわっ。どうしよう。
手抜いたのに。
「エミリ、本番では手を抜くな、だそうよ」
えっ、手抜いたのバレてた?
「シスター、お願いがあるんですが」
「どうしたの?」
「私の魔力とか大ぴらにしないでほしいんですが」
「ああ、学院側の話ね。わかった。学院に交渉してくるわ」
助かったかな?
私が全力を出したら大事になりそうで怖い。
手を抜くな、と言われても、
全力を出したくない。
「この話通らないのなら、私逃亡するから」
「大丈夫よ。まかせなさい」
上級国民の子弟の通う学校。
そこで私がブイブイいわせたら、
結果は目に見えてる。
◇
などというやりとりがあり、
私は魔法高等学院の入試を受けた。
私はやっぱり実技テストで全力を出さなかった。
実技テストでは、試験官が怖い顔をしてたけど。
「どうだった?例の孤児」
「やはり、4属性持ちですね。魔法力は上の下」
「予備試験では手を抜いているのでは、という報告があったが」
「やっぱり全力を出していないようですね」
「警戒しているのか」
「まあ、そうでしょう。孤児が優秀な成績で魔法高等学院に入学なんて、やっかみが凄いでしょうから」
「4属性持ちという時点で魔法力の強さ云々じゃないんだけどな」
「そうですね。4属性持ちも隠してもらいたいとの要望が教会側から出てます」
「うーん。公にはしないが。まあ、すぐ漏れるだろうな」
「隠しきれませんね」
「いずれにせよ、特待生入学はかまわんじゃろ。4属性持ちじゃからの。孤児だろうがなんだろうが、このような才能を逃すわけにはいかん」
私は学院に入学することになるようだ。
ちなみに、残りの4人も無事領軍学校に合格した。
ジャンもその一人だ。
「ボス、一緒の学校にいけなくて残念だけど、今後も連絡は欠かさずにいこうぜ」
「そうね。孤児院には休暇にはもどってくるわ」
転生してから約3年。
この孤児院でいろいろ体験してきた。
こうしてお世話になった孤児院を離れる。
ちょっとしんみりしたものを感じる。
私達は、8月中には入学に向けて準備を始めた。
ちなみに、この国では学校は9月から始まる。
もっとも、準備を始めた、と言っても、
持ってくものがない。
ちなみに、私の服と靴。
転生してからずっと同じものを身につけている。
ちっとも汚れないし、
大きさも私の成長に合わせて大きくなっているようだ。
それに、常時結界やら防御魔法やらが
服に帯びるようになっている。
神様がチートな服をくれたのだろう。
なお、制服とかは無料で支給してもらえる。
教科書とか文具とかも。
食費もタダ。
住むところは寮だし。




