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教会

【教会】


 食べることと魔法の練習、

 それに遊ぶことに一生懸命で

 それ以外のことに興味がなかったんだけど、

 少しずつ、辺りの事情がわかってきた。


「この国の名前って、◯王国っていうんだ」


「そうよ、でも王様は象徴的なものっていうか、そんなに強くないのよね。村の長老みたいな感じ」


「揉め事があると仲裁するみたいな」


「そうそう」


「誰が強いの?」


「実際に強い人って言われると、まずは領主様ね。地方の貴族とか豪族ね」


「まずは領主様 ?」


「領主様は表番長みたいなもの。裏番長は教会ね」


「表と裏とでどっちが強いわけ?」


「それは場所によって。まあ、教会のほうが強いことが多いけど。表番長は貴族とか豪族なんだけど、教会もトップは貴族とか豪族出身者で占められているから、似たもん同士ね」


「教会ってお祈り以外に何するところなの?」


「たくさんあるわよ。まずは、病院。うちのシスターみたいに回復魔法士が控えていることが多いわ。それか薬師」


「出生届、結婚届、死亡届は教会に出す決まりよ。出さないと怒られるわ」


「葬式・結婚式を行うことも多いわね」


「あと、うちは貧乏なんだけど、お金持ちの教会も多いわよ。多くの教会は領地が広くて、農地も広いから」


「領地って、領主様のものじゃないの?」


「領主様には領主様の土地があり、教会には教会の土地があるわ」


「教会も領主さまなのね」


「そうよ。ただ、病院とか出生届とかは領主様の土地に住む人たちの面倒も見てるから、教会のほうが権限が大きいわね」


「他にお金的なものは、お布施。領地に住む人から毎年幾ばくかを寄進してもらっている」


「ギルドっていう農業や商工業の集まりがあるんだけど、それの後ろ盾を行うことも多いわね。うちは違うけど、大きい教会は間違いなくギルドをバックアップしてるわ」


「経済を牛耳ってるわけね」


「そうよ。教会が領主様より強い理由よ。そういうところは神兵がいて睨みをきかせてるわね」


「でも、うちは貧乏なんでしょ」


「うちはいわゆる末端の教会。小さい教会っていうのは、たいていは信仰心の篤い神官がいて真面目な教会活動をしているわ」


「なんだか、上の方の教会は真面目じゃないみたいな言い方ね」


「大きな声では言えないけど、強い教会っていうのは信仰心よりもお金儲け優先ってところ多いらしいわよ」



 いろいろ教えてもらったんだけど、

 この世界で認められるには、

 教会か領主様に仕えることが一番だとか。


 強い魔法師とかは引手数多。

 特に、回復魔法士はほぼ強制的に教会行きらしい。

 教会に行けるのは名誉なことらしいから、

 みんな喜んで教会に行くらしいけど。


 もうひとつは、農地開拓。

 誰も手をつけていない荒れ地を開拓すると、

 10年間は誰にも属さずに行けるらしい。

 つまり、領主様や教会にお金を払う必要がないってこと。


 でも、大抵は失敗する。

 下手すると、借金まみれで奴隷に落ちるんだって。


 奴隷ってあるんだ。


「犯罪奴隷、借金奴隷、戦争奴隷があるわね」


 奴隷なんて聞くと、嫌悪感が出てくるけど、

 犯罪奴隷や戦争奴隷は懲役制度みたいなもの。

 ないと、国費を圧迫する。


 借金奴隷に関しては、この世界は基本が貧乏。

 奴隷という身分がないと、

 貧乏人は死ぬしかなくなる。

 私達みたいに孤児院で暮らせる子供たちは幸福なんだって。


 ある意味、セーフティネットってやつね。

 前世日本の常識をあてはめてはいけないってやつだ。



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