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ミネラルが72種類?!

 サプリメントの販売サイトを見ていると「72種類のミネラル」などの文言に出会(でくわ)します。

 ミネラルって、そんなに種類のあるものなのでしょうか。


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 そもそも「ミネラル」とは動物が生存するために必要な元素の内、有機化合物に含まれる典型的な四元素を除いたものです。

 で、先ず最初に注意すべきは、「元素」であること。つまり、それらは「水素(H)、ヘリウム(He)」から始まるお馴染みの周期表に表されるものです。この表の内天然に存在するものは、「プルトニウム(Pu)」までの全てを入れても94種類だけです。

 次に注意すべきは、有機化合物に含まれる四元素とは何か。これらは、「炭素(C)」、「水素」、「酸素(O)」、「窒素(N)」の4種類です。これで分かる通り、ミネラル以外の栄養素であるところの「糖質、脂質、蛋白質、ビタミン」は全て有機化合物となります。


 さて本題の、ミネラルと呼ぶべきものは何かです。

 健康増進法では、多量ミネラルである「ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、(りん)(P)」の5種類と微量ミネラルである「鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、沃素(ようそ)(I)、セレン(Se)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)」の8種類を合わせた13種類が規定されています。

 実はこれだけでは人間は生命活動を維持できないことが分かっています。他に必須元素とされているものは「硫黄(S)、塩素(Cl)、硼素(ほうそ)(B)、弗素(ふっそ)(F)、珪素(Si)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、臭素(Br)、リチウム(Li)、ゲルマニウム(Ge)」の11種類です。

 つまり、法律で規定されている13種類に必須であると目されている11種類を足しても高々24種類しかミネラルはありません。94種類の元素の残りを考えてみましょう。「ヘリウム」などの稀ガスや「ウラン(U)」のように地殻にしか存在しないような元素が必要であるとは思えませんね。なので、今後研究が進んだとしても何十種類も増えるとは思えません。

 従って、ミネラルは高々24種類しかありません。多少拡大解釈していくつか増えることはあったとしても、「72種類のミネラル」なんて存在するはずがありません。


 このように、およそ健康食品の類は要警戒の代物が混じっているわけです。

 余談ですが、微量元素には少なからず毒性があるものがあります。何事も、適量があると言うことですね。

挿絵(By みてみん)

 最後にもう一度まとめておきましょう。

有機化合物:

      炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)

多量ミネラル:

      ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、

      (りん)(P)

微量ミネラル:

      鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、

      沃素(ようそ)(I)、セレン(Se)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)

その他のミネラル:

      硫黄(S)、塩素(Cl)、硼素(ほうそ)(B)、弗素(ふっそ)(F)、

      珪素(Si)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、

      臭素(Br)、リチウム(Li)、ゲルマニウム(Ge)


 四話目はさらに毛色が違ってしまいました。未だに嘘の蔓延(はびこ)る健康食品界隈への一石として。

 これも元はFacebookに投稿したものですが、全体的に見直しました。

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https://www.facebook.com/notes/清水-悠/ミネラルとは何か/1047798955267643/

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 今話もお読みいただきありがとうございます。

 毎度のお願いですが、多くの人の目に触れるためにもブックマークや★での評価を是非お願いします。


追記:

 改めて見直したら一部の元素が必須かどうかがちょっと怪しいことがわかりました。それを踏まえて少々書き直しました。

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