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葉っぱが緑色である理由

 葉っぱは何故緑色なの?

 緑色ではなく黒い方が効率良い光合成を行なえるのでは?

 そんな疑問に答えてみました。

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 確かに光を吸収させるだけなら黒体が一番効率いいと思われます。


 黒く見えるということは、光を吸収して逃さないということです。逆に、白く見えるということは光をよく反射しているということです。絵の具を重ねていくと暗い色になりますし、光を強くすると白くなっていきますね。

 葉っぱの役割は根から吸い上げた水と空気中の二酸化炭素を光のエネルギーで炭水化物に作り変えて酸素を放出することで、これを光合成と言います。その為には勿論光をできるだけたくさん利用したいので黒い方がよさそうなのに、何故か緑色になっています。若葉が黄緑色だとか要黐(かなめもち)は赤いとかは後で触れます。


 さて、太陽電池パネルは光を利用して電気を発生させます。このパネルは、一般的には黒く見えます。先ほどの理屈の通りですね。では何故葉っぱは緑なのでしょう。

 それは、葉っぱに厚みがあるからと言っていいでしょう。仮に、葉緑体が黒かったとします。そうすると光を全部吸収してしまうので葉っぱの表面を覆うだけ覆ったらそれでお終い。強度のために葉っぱを厚くするとそれだけ光合成の役に立たない部分が増えてしまいます。おまけに、太陽光の入射角が葉の面に垂直でないと途端に効率が落ちます。これではたまたま太陽を向いた外側の葉っぱだけしか有効ではなく、全体としての効率はよろしくありません。

 しかし実際の植物の葉っぱでは、敢えて葉緑素(クロロフィル)での緑色光の吸収効率を落として葉っぱの中で乱反射させて、表面から裏面まで満遍なく利用しているわけです。このとき乱反射で漏れてくるのが緑色の光を中心とした光になります。


挿絵(By みてみん)

 ここで、葉っぱの色の違いに触れておきましょう。冒頭にも書きましたが、要黐(かなめもち)は赤い若葉が生えてきますし、上の写真にあるように街路樹の匂い檜葉(ニオイヒバ)も若葉は黄緑色をしています。これは、若葉の状態では未だ葉緑素(クロロフィル)が充分でなく、葉っぱに含まれる黄色(ルテイン)赤紫(アントシアニン)などのカロテノイド(カロチノイド)の色が優って見えているためのようです。これらのカロテノイドは、葉緑素(クロロフィル)が充分でない若葉を強い光から守る効果もあるそうです。例えば草の葉にはカロテノイドが多く含まれていて、しばしば紫色の観葉植物として利用されていますし、我が家のゼラニウムは下の写真のように綺麗に赤くなってしまいました。これは葉っぱの葉緑素(クロロフィル)が分解されて、代わりにアントシアニンが日差しに対する保護のために増えたためと考えられます。

挿絵(By みてみん)


 一方、高さのある木の場合は草ほど急いで成長する必要もないので、葉緑体のしっかり詰まっていそうな暗い緑の葉っぱになりがちです。下の写真の合歓の木(ねむのき)も、濃い緑色をしていますね。

挿絵(By みてみん)


 とまれ、遠出を控えて遠くの緑を楽しめなくても、近くの緑の観察などを楽しんではいかがでしょうか。

 三話目も毛色違いの投稿ですが、時節柄ですので……

 元はFacebookに投稿したものですが、興が乗ってほぼ全面書き換え。最初から書いた方が早かった気がするw

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https://www.facebook.com/notes/清水-悠/葉っぱは緑色ではなく黒い方が効率良い光合成を行なえるのではないかと言う疑問に対する回答/866249666755907/

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 今話もお読みいただきありがとうございます。

 毎度のお願いですが、多くの人の目に触れるためにもブックマークや★での評価を是非。

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