アンパンマンに思う
子どもが産まれて、アニメとかどれを観させてもいいのか、検討会を持ち始めました。
アンパンマン。いいですね。
国民的なキャラクターなのかも知れません。子どものヒーローと言っても良いかも知れない。
まぁ、お話の筋は単純です。
1.アンパンマンがパトロールしている。
2.泣いている子どもに出会う。
3.自分の頭のあんパンを食べさせる。
4.子どもは泣き止み、泣いている事情を話す。
5.どうやらバイキンマンが悪さをして、逃げてきたらしい。
6.アンパンマンはその現場へと急ぐ。
7.『お腹が空いて力がでない』
8.負けそうになる。ピンチになる。
9.新しい顔が運ばれてくる。
10.アンパンチ、バイバイキーン。
11.めでたしめでたし。
さて、大人は思う。アンパンマンは愚かである、と。
突っ込みどころとして、
3.自分の頭のあんパンを食べさせる。
なのだけれど、自分が弱くなるって分かるでしょ? なぜ、あんパンを食べさせる?
まずは泣いている子どもから、事情を聞いて、バイキンマンが暴れている場所に急行するのが最善の策じゃないか?
泣いている子どもは一人。
バイキンマンが暴れている場所では、もっと多くの人が困って、泣いている。大局が見えない奴だな。
合理的に考えれば、
1.アンパンマンがパトロールしている。
2.泣いている子どもに出会う。
3.事情を聞く。どうやらバイキンマンが悪さをして、逃げてきたらしい。
4.アンパンマンはその現場へと急ぐ。
5.アンパンチ、バイバイキーン。
6.泣いていた子どものところへと戻る。
7.自分の頭のあんパンを食べさせる。
8.みんなを救い、泣いている子どもも助けた。めでたしめでたし。
が、普通じゃないか?
「小」に囚われて「大」を見失っている。
あんパンをあげて、弱くなって、バイキンマンに負けたら、誰も救えないんだよ?
あんパンを泣いている子どもにあげても、「バイキンマン」という原因に対する解決方法ではない。
損得勘定ができない、先の読めない愚か者が、アンパンマンである。
自分で頭食べさせて、自分でピンチを招く。本末転倒、愚の骨頂。
正直、頭に脳味噌入ってるの? と疑いたくなる。あっ。あんこしか頭に入ってないのかw
だけど、そこが格好いいじゃない。
損得勘定じゃないんだよ。
目の前の泣いている子どもをほっとくことなんてアンパンマンにはできないんだよ。
泣いている子どもにあんパンあげるなんて、愚かな行為だと言われるかもしれない。優先順位が付けられないやつだと馬鹿にされるかもしれない。
弱くなる、ピンチになるってアンパンマンは分かってるんだよ。
だけど、笑顔で自分のあんパンを差し出すんだよ。
バイキンマンにやられちゃうかも、なんて不安を一切出さず、笑顔なんだよ。
自分の頭のあんパンを差し出して、泣いている子どもの笑顔を取り戻すんだよ。
そして、弱くなりながらも、バイキンマンが暴れているところに行くんだよ。
本当に、子どものヒーローだよ。涙が止まらないよ。
大人の、こうでありたいと願いながらも、しがらみで雁字搦めになっている大人の憧れがアンパンマンだよ。
子どもにアンパンマンを見せながら、テストやらで他人よりも少しでも秀でろと子どもに教える大人。
合理性の先に、アンパンマンはいない。大人が言う「愚かさ」の先に、本当のヒーローっているのかな。