呆気なき終焉
今回こそは完結させる、と意気込みながら書きました。
まだ詳細なストーリーには未確定な部分が多く、更新が遅くなる場合があります。
できるだけ毎日執筆、毎日更新を心がけようと思いますので、よろしくお願いします。
俺はマンフレート・フォン・リヒトフォーフェン。ドイツ人の戦闘機パイロットだ。
今日は1918年4月21日。今日も今日とて紅茶の国のパイロットと空戦の真っ最中だ。
といっても、今は緩やかに旋回しながら援護が必要そうな箇所を探しているだけだ。
そんな時、俺は戦線を離脱しようとする敵機を発見する。
正々堂々と戦いたいところだが、そうも言っていられない。この敵機を逃したせいで祖国が窮地に陥るかも知れないのだから。
俺はここぞとばかりに敵機に追いすがる。
しかし、甘かった。
敵機を攻撃することに集中するあまり、いつの間にか敵の対空砲陣地上空に出てしまったのだ。
機体に穴が開き、衝撃を感じた。
不味い、撃たれた!
そう思った直後に俺の右胸に凄まじい衝撃を受ける。
胸からとてつもない量の血が流れる。
遠のく意識を必死に保ち、俺はなんとか機体を不時着させたが、そのまま意識が途絶えた。
その後、オーストラリア軍兵士が駆けつけた頃、マンフレート・フォン・リヒトフォーフェンは息絶えていたという。
彼の財布の中には一人の少女の写真が大切そうに納められていた......
俺は真っ暗な空間に独り佇んでいた。
そこには何もなく、誰もいない。
自分独り。
そんな中、目の前に大きな鎌を持ち、ローブを纏った老人が現れた。
「端的に聞く。生きたいか?」
俺は答えに困った。
生きたい、か....ドイツの都市は皆敵軍に襲われ、建造物は市街戦で破壊され、人々は毒ガスで殺された。街に残してきた大切な家族や恋人も、友達も、きっともう死んでいる。
自分独りで生き残ってもただ辛いだけだ。
「生きたくない、というより資格がない。俺は今まで何十人ものパイロットを殺してきた。そんな人間が生きていたって、誰も得しないさ。それに、多くの人は俺が生きることを望んでなんかいないさ。」
自分でも驚くほど、自分を否定する言葉ばかり出てくる。
しかし、今自分は正論を言っている、とも思った。
俺は人殺しだ。どうあがいてもそれは変えられない。
「そうか。」
鎌を持った老人はそれだけ言って、俺に鎌を振り下ろした。
俺はコックピットに座っていた。
俺と最期を共にしたはずの愛機、フォッカーDr.1だ。
フライホイールの代わりとしてシリンダーブロックを用いるロータリー・レシプロエンジンを採用し、MG08 7.92mm機関銃を二挺搭載した三葉戦闘機だ。
おかしい。俺は死神に鎌を振り下ろされた気がしたんだが、身体は傷ひとつ無いし、機体も損傷していない。
なにやらポケットが重い。
中を探してみると、中には手紙と、小さな水晶球が入っていた。
手紙にはこう書かれていた。
拝啓 マンフレート・フォン・リヒトフォーフェン殿
この度は申し訳ない。
君は不幸にも死んでしまった。
そこまでは良いのだが、GOD OSのバグで君は異世界に肉体、魂共に転移してしまったようだ。
修正したいところなのだが、システム上、修正パッチを当てると君たちの存在が消えてしまうんだ。
申し訳ないが、君たちにはこの世界で天寿をまっとうして欲しい。
敬具 GOD OS開発チーム
わけがわからない。