北の門
王都ミリスの北に位置する門の前にはマリードが帽子をかぶり商隊に指示していた。アムに引かせる馬車に大量の荷物が積まれている。
俺は封印石にグリフォンを封印したり準備を手伝ったりしてたので、あとは出発だけである。
ルートはマリードの商隊の順路もあるので俺は検索で安全なルートを今回は使わない予定だ。
これを使えば魔獣の遭遇は、ほとんどないのだが旅は何かあるから面白い。
それにマリードの商隊には護衛の者が三人いる。
俺の護衛としてついているのがエリア、ミーシャ、マーズなので、それなりの防衛力はあるだろう。
俺とマーズは、そこまで期待できないが二人で訓練もしてきた。
少しぐらいなら役にたつはずだ。
今回の旅はエリアやマーズ、ルメリシカ王国に関わる人物なので商隊に紛れる事はドルジア国の目から逃れるので商隊に加わり良かったと思う。
見送り等はないが小鳥が俺の肩にとまろうと羽ばたいていた。
その足には手紙が縛ってあった。小鳥が肩にとまり手紙を読む。
「貴殿の無事を祈る…この小鳥を託す」
たった一行の文であったが、これの送り主は分かっている。
それはルイである。
無口なルイらしい文であるが、それを見て嬉しくなった。
それに、この小鳥は魔法を施してある特殊な小鳥だ。
俺の旅に何かあれば、この小鳥を使ってルメリシカ王国に報せれば何かしらしてくれるだろう。
遠い道のりなので、この小鳥でも幾日かはかかるだろうが、いざという時にはミーシャやザックがいる。
ミーシャは空間操作により移動、ザックは大神殿の半分と精神を共有しているので直ぐに情報を伝えられる。
ただ魔族や水の精霊王などであるため人目がつくのは避けた方が良いだろう。
俺にも空間操作ができればよいが、そんなうまい話はない。
準備が終わり俺達は馬車に乗る。
これからの旅は魔獣もでるかもしれないので用心に越した事はない。
だが気を引きしめながらも俺は今回の旅が楽しみであった。
こうして俺達はマリードの商隊を護衛しつつ始めの目標であるルメリシカ王国のルネの村を目指した。
あそこは俺の始まりの村である。
反抗軍だったものもいないので今は廃村であるが、それなりに人はいるとの事だ。
廃村といっても前までは反抗軍の本拠地だったので、それなりに衣食住はできる。
なので、そこで補給をする予定である。
ルネの村で初めて会った女性エリアとの出会いは衝撃であった。
そんなエリアと一緒に、また訪れるのだから面白い。
俺はエリアの顔を見つめ言葉を口にした。
「エリア、これからも宜しく」
するとエリアの口からも気持ちの良い言葉が発せられた。
「もちろんですサイトー様」
お互いを信用しての言葉に照れながらも俺達二人は微笑んだのだった。




