手記
「どうもサイトーです」
漫才ではないのだが、そんな感じの挨拶になってしまった。
そんな俺を見てマリードが目を丸くする。
「これはこれは。可愛いお嬢さんですな。エリア様の客人が、こんなに若いとは珍しいですな。してハイエルフのお嬢さんなので年齢は聞きませんが…」
このマリードという男、ただ者ではない。
そう俺は直感した。何故なら普通の人はエルフと間違えるからである。
(たしかビクスもきづいてたな…)
たしかに耳を見ればエルフだと分かる。
(うん!?エルフとハイエルフの違いってなんだ?)
疑問に思い検索してみることにした。
(エルフの上位種です…)
答えは簡単であった。
この検索は、この異世界の事しか検索してくれないようだ。
これ以上、検索しても何もでないだろう。
「どうかしましたか?」
検索するとボォ-としているようだ。今までも、これで指摘されている。
「いや、なんでもない。それより、この金10枚で何枚買えるのですか?」
丁寧にマリードという商人に聞いてみた。
「そうですな。この手のひらサイズで10枚といった所ですよ、お嬢さん」
マーズの話で聞いていたが紙1枚につき金1枚という破格の値段である。
そうそう手が出るものではなかったが俺は10枚買う事にした。
後で金20枚入る予定なので買えるだけ買い取った。
「しかし紙を求めるとは変わった嬢さんだね」
エリアも同意し首を縦に振っている。
「サイトー様、一体何をするのですか?」
やはり気になるようでエリアが聞いてきた。
「実はポーションの作り方やゴーレム、魔法などを記したいんだよ」
「なるほど…流石はサイトー様です」
「オホッン、ちょっと今、気になる事を耳にしたのですがポーションの作り方ですか?」
マリードは目の色を変え俺の両肩を掴み興奮気味で言ってきた。
「あぁーそうだけど。たぶん無理だと思いますよ」
俺のポーション作りには水の精霊の力が必要だとマリードに話をした。
詳細は言わなかったがそれを聞いたマリードは、がっかりした表情をみせた。
「それなら買い取りします」
そう言いマリードは俺に交渉を持ちかけてきた。これは俺にとって美味しい話でありエリアを介して交渉する。今回はエリアがいるので失敗する事はないだろう。話し合いを数分おこない、互いに納得のいく交渉ができた。
「では、またお願い事します」
「はい、こちらこそサイトー様」
俺とマリードは熱く握手をし交渉は成立した。
交渉の内容はポーション1つに対して紙1枚と金1枚である。
これで紙が手にはいるし、お金も増えるし一石二鳥である。
そして俺が記した手記は、その後サイトーの手記と言われ後世に出回るのだが、そんな事になるとは今の俺には想像ができなかった。




