魔法
太陽の日差しが眩しい。だが暑さは感じられない。俺は、気を失っていたようだ。ゆっくりと立ち上がり辺りをみる。
すぐ近くにはスーパーで買った食材が入ったビニール袋があった。今まで暑さのせいで幻覚を見ていたのだろうか。いや、それはないだろうと思う。
だが喉の渇きもなければ水の精霊ザックの姿もない。騙されたと夢でうなされてたのだろうか?とりあえずザックと叫んでみる。だが反応はない。
しかし右手の手のひらには僅かだが水滴が残っていた。
(はぁーお腹空いたな…)
考えるのはやめてビニールからじゃがいもを一つとりだす。
(これを、そのまま食べるのは無理だな…)
そう思い、じゃがいもをしまい代わりにパックに入っている豚肉を取り出した。
(火をおこせば食べられるな)
先程の出来事も夢かもしれないが火の魔法も使えるかもしれないと思い火をイメージし手のひらに集中する。わずかだが熱を感じ更にイメージすると手のひらの上に火の玉ができた。どうやら成功のようである。
これができたという事は先程の出来事も夢ではなさそうだ。
(それにしても魔法を使うのに詠唱は必要ないみたいだな…。だけどせっかくだから言葉をだして使った方が格好いいかな)
自分の魔法に満足した俺は
「ファイア」
そう言い豚肉に火の玉を放った。みるみる豚肉は焼け、香しい匂いがしてきた。その匂いに我慢ができず焼けた豚肉を口に運ぶ。
(塩か醤油があれば、なお美味しいだろう…)
そう思っても無いのはしょうがない。その代わり俺のビニール袋には胡椒があるのだ。袋からだし胡椒の蓋を開け焼けた豚肉にかけ頬張った。
その頃には日が傾きかけていた。暑くないのは、そのせいかもしれない。だが砂漠は夜が冷えるのだ。今のうちに休める所を探すしかない。
そんな事を思っていると地面に大きな影があった。その影の正体は上空に飛んでいる鳥みたいな生き物であった。




