姓
エルフの里へ行くと決めてから数日が経った。
すでに体力は回復しており朝食を俺はとっていた。
このルメリシカ王国の主食は芋であった。
ルネの村で買いとってもらったじゃがいもと人参が銀5枚でありスイラムの村で食べたブラックアムの串が銀1枚だったので、あのじゃがいもは品質が良いのだろう。
今、俺が食べている芋のスープは味が薄い。
そこで役にたったのが胡椒である。
(これを売らないで正解だった)
芋のスープに胡椒を足すと少しだけマシな味にはなった。
後は塩味がもっと濃ければいいのだが贅沢はいってられない。
この芋のスープを持って来てくれたのは俺と同じぐらいの歳の少年であった。
名前はマーズ=ルドルフというらしい。
キリッとした目に澄んだ瞳、銀色の短髪の少年である。
背筋はまっすぐで執事みたいである。
(ルドルフ…ルドルフっ!?)
その少年はビクスの腹心であったリオ=ルドルフと同じ姓である。
「もしかして…」
俺が少年マーズに言うより早くマーズが答えた。
「魔族に操られ死亡したリオ=ルドルフの子供ですよ」
マーズという少年は肩を竦め俺を見る。
たしかにリオはビクスの腹心であったが魔族には操られてはいなかったと思う。きっとエリアかバッカスが話をすり替えたのだと理解した。
マーズにとってリオは父親である。
そんな父親が反逆者だったのだから。
「えーと。マーズはなんで、ここに?」
そんなマーズがなぜ俺の食事を持ってきたのか疑問に思ったので聞いてみた。
するとマーズは嫌な顔もせず、この国の英雄に会って見たかったと言った。
少し照れるが、こんな同じような年齢の少女に興味がでるとは物好きかと思ってしまう。だがマーズは目をキラキラしていた。
(そんな目で見ないでくれ…)
心の中でそう思いスープを飲む。
しばらく俺はマーズに目を向けずスープを飲み干した。
「ふぅー」
お腹もいっぱいになった事だし俺は行動に移る。
マーズは俺の様子をじっと見ていた。
それはそうと、もう一人の存在が気になっていた。
もちろんミーシャであった。
マーズは、このミーシャを魔族と知らないだろう。
俺の仲間だと思っているようだ。
「ミーシャさん、イチゴさんが何かするみたいですよ」
すでに仲が良いのか二人は和やかであった。




