想像
(ぽつん、ぽつん)
耳の近くで音が聞こえては消える。
(俺は死んだのか?しかも異世界でも死んだのか?)
そう思ったのだが目から微かな光が見える。
暗くてよくわからないが上から光が差し込み、それが反射して俺の目に光があたり我にかえる。
「みっ水だっ!」
耳の近くに聞こえるのは、まぎれもなく水の音であった。
俺はすぐさま立ち上がり音の所へ足を運ぶ。
目の前には僅かだが水溜まりがあった。
「はっは、やったぞー」
飲める飲めないの問題は無視し俺は、その水溜まりの水を手にすくい口にもっていく。
(ごくっ、ごくっ…)
そして勢いよく飲み続けた。喉の渇きがとれ俺は今いる場所を見回す。
ようやく冷静さを取り戻し、ゆっくりと観察した。
どうやら地上から今いるこの地下に落ちたらしい。
あの青いマークは、ここの場所だと察した。
そして水溜まりをもう一度見て気がつく。
光があたり自分の顔がよくみえた。
しかし、その顔は転生前の冴えない男の顔とは比べ物にならないくらいに違った。
そもそも、その顔は男の顔ではなかった。
その顔は端正で部屋に飾ってある女性のフィギュアの様な可愛い少女であった。髪は肩にかかるぐらいのブロンドであり、なにより特徴は耳であった。
よく物語にでてるエルフという種族と同じで縦に長い。
耳に手を伸ばし触ってみる。感触は普通である。そして一番気になる所を触る。
(やっぱり…)
それは俺が想像した通り、どう触っても女の子であった。
挿し絵を差し替えました。




