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アリス

アリスは早い速度で軍を率いてドルジア国のアーク城へと向かっていた。

アリスはキアの気配が消えた事を歩く中、感じていた。

それでも歩は真っ直ぐにドルジア国へ向けられている。

彼女からしたらキアは恩人であり尊敬する人物である。

そんなキアから、指揮を任された。例えキアの意思と反対の行動であろうとキアに任されたのだ。だからアリスは進む。

無口で感情がないような彼女であったが徐々に感情が滲み出る。

アリスは泣いていた。

歩きながら大きな声で泣いた。


「うわぁぁーん…ぐっすっ、キア様」


ごく普通の少女と同じように泣き続けた。

一緒に行動をしていた兵士は何事かと思ったに違いない。

やがて気持ちが落ちついたのか冷静になりキアが安らかに眠るように祈った。

それは神でも女神にでもなく、ただキアの為に祈る。

アリスはキアを倒した者を恨んではいない。

キアが自ら行った行動である。

それを尊重し前へと進む。

だが妙に感じる。キアの気配は消えたが、そこから大きな別の気配を感じた。

それがなにかは想像ができない。

ただ大きな気配を感じたのだった。


一方、俺達も順調に歩を進めている。

ドルジア国は豊かな土地であった。国自体は、それほど大きくないらしい。

どちらかというとルメリシカ王国の方が広いという。

ただルメリシカ王国は、ほとんどが砂漠だ。

国境を超えてからは、だんだんと木が生い茂り歩道などもある。

歩道は、ただ木を切り抜いただけだが綺麗な道であった。

そこを進み休憩する。

ジル、クール、アビス、そしてバーミッド達だ。

テントを張り俺達は、そこで休む。

ご飯はグリデ砦からもらった肉や野菜などを煮込んで、それを鍋にいれる。

この鍋など前の世界にいた時と同じような形で手間が掛かっていた。


「この鍋が気になりますか?」


「あぁーちょっと気になってね」


「やはり、あなた様は見る目がありますな」


そう言ったのはマリードである。彼も一緒にいる。

彼はバーミッド達を、これからも支援するそうだ。

商人であるがバーミッド達に付いてくという。

そんなマリードに俺は話を聞いた。


「これがドルジア国では当たり前なのか?」


「はい、そうです。火の精霊の力を借り作られたものです。この国は、もともと火の精霊を信仰してますから。でも最近は、それを戦争に利用して、この国は変わりました」


「そうか」


火の精霊王ビトが怒った理由は、このように火の精霊を使ったのが許せなかったんだなと今、俺の中で休んでいるビトの優しさに心打たれた。

マリードの話ではドルジア国は鍋の他にも剣や防具、アクセサリーといった物も作られ売られているという。お土産にバッカスなんかに買ったら喜ぶと思い俺は胸をワクワクさせた。

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