女剣士
・登場人物
水の精霊ザック
女剣士エリアは、よくみると美貌の持ち主であった。
年齢は二十歳そこそこで、うっすらとしたブロンドの髪が夜の砂漠でも良くみえる。俺の身長は小さな女の子と同じぐらいだが、エリアという女性の身長は俺の頭二個分ぐらい高く端正な顔つきをしていた。
そんな女剣士エリアが俺に休む場所を与えてくれたのだった。村の門の近くの小屋へ連れていかれ話は明日聞くと言い、また門の所へエリアは戻って行った。
どうやら信用されたらしい。そして俺は案内された小屋で静かに眠りについた。
朝になったのだろうか。日差しが小屋の中に入り窓ガラスに反射する。
そこで俺は目が覚めた。いつのまに寝ていたのにかかわらず自分の体の上には布切れがかけてあり、その暖かい匂いに心が安らいだ。
小屋の中を見回すと壁には様々な剣や杖が飾られている。どうやら、ここは村の衛兵がいるような小屋だと判断した。俺は他にはないかと探していると小屋の扉が開き1人のブロンドの髪の女性が入ってきた。
(うん?金髪ならエリアさんかな…)
「気がつきましたか?」
しかし言葉使いも綺麗で昨日のような女剣士の風ではない。そこにいるのは女神とよべるに相応しい上品な佇まいの女性の姿であった。
「あのエリアさん?」
疑問の声が口にでる。その言葉に女性は微笑んだ。
「はい。そうです。サイトー様。ちなみに私の事はエリアと呼び捨てにしてください」
いきなりそう言われても困るが昨日の今日で女剣士との違いに戸惑う。そんな俺の表情を察したのかエリアが答えた。
「ふふふっ、昨日は失礼しました。私もそうですが村の皆全員、外から来るものは敵だと認識しているからです」
エリアは、そう言うと小屋の窓ごしから見える人影に手を振り微笑む。どうやら野次馬のようだ。皆、俺の事が気になっているようだ。窓ごしから見える野次馬は、ほとんどが重装備の男ばかりだ。そんな中にエリアとエルフの少女がいるので野次馬の理由が分かった気がする。そんな野次馬から目を俺に向けエリアが真剣な表情で言った。
「サイトー様が寝ている間に少し調べさせてもらいました」
そう言い、スウェットのポケットに入っていたはずの魔獣石が隣にあるのに気づく。その時俺は「ハッ」と思わず体に覆っているのに気づく。
着ているものが違うのだ。身につけていたのは全身を覆う白いローブであった。しかも異様に着心地が良く砂漠の中にある村の小屋でも涼しさがある。
これには俺も驚いた。エリアの話では俺に害があるのか調べた後、丁寧に着替えさせたとのことだった。その着替えはエリア自身が行ったという。この村に女性は1人であり、その1人こそエリアだと言う。
(女性1人とはどういう事なんだ…?)
疑問に思ったが、それは口にしない。そのまま彼女の言葉を聞く。彼女の話では俺を調べたのは魔法ではなく彼女が持つ剣だと言う。見せてもらったが俺にはよく分からない。だが目を凝らしてみる。
「この剣は写読剣です」
俺の検索スキルがそう検索してくれた。名前の通りなんらかの方法で俺を調べたのだろう。俺がそう思っていると
「やはりサイトー様は、異世界から来た人のようですね」
そう言ったのだ。
「何故そう思う?」
俺が挑戦的な言葉でいう。
「ええ、この剣のまえでは分かります。サイトー様は今、異世界人特有のスキルを使いましたね。それにサイトー様は水の精霊と契約してますよね。このルメリシカ王国で水の精霊と契約してるという事は、貴方様が善良な人だと教えてくれるようなものです」
まるで占い師のように次々と俺の事を当てる。俺は驚いたが、この世界ではあり得るかもと思う。そして、真剣な眼差しで俺をみる彼女なら信用できるかもしれない。そう思い自分の中にいるであろう水の精霊ザックに呼び掛けた。




