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説明回という名の茶番

今回は言葉について、です。

※会話のみです。苦手な方は飛ばしてください。

「せっつめーかーい! ふっふぅ~♪」


「ハル、サッフィダタン」


「え? うるさいって?」


「うん。あれ? ハル、ヘゥ タファハムゥ アマ―ナ?」


「ふっふん。分かる、分かるわ! シャリファの言っている事が私にも分かる!『ハル、意味分かった?』って言ってるわね!」


「……ハル、勉強、した?」


「そんなのする訳無いじゃない。シャリファの言葉が分かるのは、ここが本編とは何にも関係無い空間だからよ」


「え? ハル、頭、打った? いつもより、馬鹿、みたい」


「打って無いわよ。というかいつもよりって何よ? それじゃあ私がいつも馬鹿みたいって聞こえるわよ?」


「……」


「目線逸らして口籠らないでよ……」


「ごめん、ハル」


「はぁ。まぁ良いわ。今回の説明回では、『言葉について』よ」


「言葉、大事」


「うんうん。大事よね。まず私達が使っている言語は『大陸言語』と呼ばれる言語で、この大陸に住むヒトは皆この言葉で話しているわ。例えば、『エイ ハル ダーデ ディー』これは『私はハルです。性別は女です』という意味ね」


「うん。ハル、私は分かってる」


「ちなみに、16話の夜の「アッサー。トイレガウンジ。アッサーアッサー」は「あぁ。トイレ行こうね。はいはい」という意味になるわ」


「それも、分かってる。私がトイレ行きたい、ジェスチャーした。改めて言う、変」


「あーっとね。これはシャリファに説明している訳じゃないの」


「うん? この白い場所、私とハルしかいない。ハル、何か見える? ハル、やっぱり頭打った」


「打って無いってば。まぁ気にしないで良いわ。でね、意思疎通系魔法って言う魔法があって、一部の動物や魔物と意思疎通を図る魔法があるの」


「うん。私、効かなかった」


「そうねぇ。無効化されちゃったわね。で、その魔法が掛かっているモノの言葉は、私達の言語で話しているように私達には聞こえるって訳なの。ついでに私達の言葉も訳されて聞こえるわ」


「便利」


「そう、すっごく便利な魔法なの。でも結構繊細な魔法でね、使えるヒトは少ないんだよ。使おうってヒトも少ないんだけど」


「動物とお話、してみたい!」


「子どもらしいわねぇ。でもね、騎士団長さんの話では、「動物は食う事と子孫繁栄の事しか考えてない」そうよ。夢もへったくれも無いわね」


「むぅ」


「っで、話を戻すけど、魔法が掛かっているモノは私達の言語で話す訳だから、当然私達の言語に無い単語は訳されないわ。近い意味の言葉に訳される事もあるけど、この辺はハッキリ検証されていないわ」


「なるほど。だからオットーの言葉、戦ってた時と、仲間になった後、少し違う」


「そうね。他にもフィズ編やエータ編でも言葉については少しずつ描写されているわね。フィズは自身の持つ魔剣の言葉、時々意味分かってないみたいよ。エータの朝の挨拶も、大陸には該当する単語や習慣が無いから、他のヒトには意味不明だったみたいだし」


「ハル? 何の話? フィズ? エータ? 誰の事?」


「あぁ、良いの。気にしないで」


「変なハル」


「良いから良いから。あ、それから、あくまでも「そんな感じ」に訳されるだけだから、多少の差異がある事もあるわね。魔法だって万能って訳じゃ無いのね」


「でも、便利」


「そうね、便利なのには変わりは無いわね。さて、今回の『言葉について』は今のところこれくらいかしらね、話せる事は。何か質問ある?」


「……分からない事、タカトに教えてもらう、だから、大丈夫」


「あら~。やっぱりシャリファはタカトが好きなのねぇ。うんうん。なら、いっぱいいっぱい質問しちゃいなさいよ? タカトの好きな髪型とか性格とか……ぐひひ」


「うん? 好き。ハルも好き。リオも熊さんも、少し怖いけど……好き。ハルは、好きな髪型、ある? ハルの好きな食べ物も、教えて?」


「あー……そういう好きとは違うのよねぇ。うん、まだ少し早いのかもしれないわねぇ」


「?」


「良いの良いの。シャリファはそのままで。ま、ここは本編と何にも関係無いから、言える事もあるのだけど」


「本編?」


「それも気にしないの。良い? シャリファ。せっかく出会えたんだから、後悔しないようにしなさいよ?」


「後悔?」


「そっ。同じ時代を生きれるっていうのは、当たり前のように思えるけど実は凄い幸運なの」


「よく、分からない」


「ふふっ。じゃあ、これだけで良いわ……まぁ、本編に戻ったら忘れちゃうんだけど、シャリファには幸せになってもらいたいからねぇ」


「ハル?」


「良い? 好きって気持ちはね、しまい込んでいても相手には伝わらないの。ちゃんと言葉や行動に出さないとダメなのよ。特にタカトみたいなお子ちゃまは、そういうの疎いだろうからね。ま、王子も大概だったけど」


「……」


「さ、質問が無いなら今回はここまでね。よーし! 王子ー! 貴方のハルが今参りますよー!」


「あ、行っちゃった……えと、これで、終わり。じゃあ、またね?」

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