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5-3 「女の子らしくない趣味③」
「じゃあ『トップを取らせて!』とか知ってるか?」
「ああ、技名を叫ぶような主人公と、その時の音楽。戦闘シーンは大味でありながら、総合的に見れば思わず格好いいと思ってしまう」
「遠野、わかってるな!」
美知子が自分の趣味をはなしているときは、普段の無口で地味な印象から一転して、よく喋る性格をしていた。
来世も、普段は小学生など相手にしないが、趣味が合う人物は別枠である。それが老若男女、誰でも気兼ねなく語り合う性格をしているので、気晴らしを兼ねて趣味の話しに花を咲かせていた。
「いいなぁ……」
それを遠くから眺める秋子と、図書館では来世のことを意識している姉崎 千鶴。
誰もが、この日常がずっと続くことを疑っていなかった――――というナレーションは、この作品には相応しくない。
来世は美知子と、趣味を通じた友達になった。
精神的に大人である来世はともかくとして、思春期に入りそうな美知子が、このままでいられるのかは別の問題であるのだが。
しばらく、書けないかもしれません。