孫子の兵法の基礎
これから海外留学して外国で地政学、戦略論を勉強する人達のために、孫子の基礎の基礎について解説します。
ここの部分をでたらめに解説している講師の授業は話半分で聞きましょう。
孫子を運用するための基礎の基礎は陰陽五行です。
陰陽の重要性と五行の重要性を解説している教授の授業をとりましょう。
最近、日本でも地政学がもてはやされ、地政学を学ぶために海外に留学する者も増えてきている。
そんな中で、日本で学ぶことができない戦略学を学ぶ上において、孫子の兵法は地政学の中核をなすものである。
海外で地政学を勉強するにあたっては必ず学習するものである。
ただし、一般学生とくに有色人種に対して教える内容と白人の上層階級に対して教える内容に
差異がある場合もあり、孫子に対しする基礎的知識がなければ誤った用兵を習得してしまう場合がある。
実例としては、日本の明治期において、日本陸軍のエリートはドイツから軍学を学んだが、
そこで習得したものは、末端の兵士に教えられる白兵突撃の戦法が主軸であった。
ドイツ留学組はこの戦法を金科玉条のごとくあがめ奉り、本来あった武士の兵法である遠戦優位、機先を制する、など敵の攻撃が届かないところから先制攻撃するや、より攻撃の回転率を敵より上回らせる、などの考え方が排除されてしまった。結果、バンザイ突撃が繰り返され、戦力の消耗によって甚大な被害を受ける結果となった。
そのような悲劇を繰り返さないため、孫子の兵法の基礎中の基礎である部分を紹介したい。
良心的な学者であれば、孫子を教えるさい、必ずこの部分を教えるので、あえてこの部分を飛ばして教える悪質な教師を見分けるための試金石としたい。
それは、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」である。
この言葉は日本でも使い古されており、周知されているが、肝心のその敵と己を知る方法が、戦後日本では徹底的に削除されており、日本人はその使い方をしらない。また、外国でも東洋人、黒人、ムスリムなどには、教えられないことも多い。
ただ、人種的偏見に関しては、アメリカなどでは、たとえ肌の色が黄色かったり黒かったりしても、白人上層階級のグループの一員と認められるだけの賢明さをあらわせば、それら白人エリートと同等の待遇をうけることもできる。そういう点においてアメリカにはフェアー精神が残っている。
末端の工作員の愚劣さが海外では目立つので、アメリカを邪悪視する傾向は世界的に強いが、学術分野においては、一定のルールを知り、誠実に対応し、自分が有能であることを相手に認めさせれば、カラードであっても、特別に同等に扱ってもらうことは可能だ。
話を孫子に戻そう。
この「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という曖昧模糊な概念を運用可能にするために用いられるのが、陰陽五行である。
これを飛ばしたり、教えなかったり「これは重要では無いから無視していい」などという講師は、何らかの悪意があるか、カラードには教える必要がないと思っているか、なんにせよ、まともな用兵を教える気がないので、気をつけなければならない。他の講師の講義を選択することを勧める。
この陰陽五行の概念は多岐にわたり完全に理解するためには膨大な知識が必要であるが、ここでは、
基礎中の基礎だけについて記述する。
まず、「己を知ること」から。
これを五行でやると己がどの立ち位置にいるか把握することからはじまる。これは「ポジショニング」である。
孫子において、この「ポジショニング」は己の立ち位置の階層を把握することからはじまる。
つまり、
己が指導層にあるか、官僚であるか、末端であるか。その把握からはじまる。
その順番は木火土金水である。
まず、自分がトップリーダーである場合、
木を用いる。これはすなあち、
「王道」である。
木の本性は仁であり、特に軍隊においては、その頂点に立つものの用兵術は「仁」である。
つまり「愛」だこの理念は「一人は皆のために、皆は一人のために」という概念として、
アメリカ軍にも導入されている。イスラエル軍が強いのも味方が一人でも敵の捕虜となれば、どれだけ
犠牲をはらっても奪還に行くという方針があるからだ。これは、アメリカ映画、プライベートライアンでも
描かれているが、合理的に考えて、たった一人を助けるために多くの兵士を死傷させることは不合理であり、不合理な選択であるように思えるが、合理主義社であるアメリカの上層部が、軍においてこのような
方針をとるのには、東洋兵法を研究しその用兵を理解した上で、あえて、もっとも合理的選択をした結果なのである。これを、日本の官僚のように「合理的判断から弱者は切り捨てよう」などという判断をすれば、
途端に組織は一気に弱体化する。反対にいえば、日本人の官僚などが留学するさい、この階層戦略の末端である「水」だけを教えられ、得意顔で消費税を増税し、徹底的に庶民を搾取するよう教えられているのは、
欧米のしたたかな戦略であるともいえる。
孫子の兵法の極意は「水」である。もしくは「水と金である」などと教えられているということは、
これは、「お前は末端の使用人にすぎないから、何も考えず、我々に従属していろ」と言われていることとおなじである。よって、有色人種にそういう事しか教えない講師は忌避すべきである。
この木、仁、である「王道」は「理念」でもあり、王道の理念をトップが掲げることによって、組織は強化される。宗教がその頂点の理念として「愛」をかかげるのも合理的優位性があるからである。
これは概念である、それを主張する者が実務に携わるわけではない。
実際に携わる者の頂点にあるものはもう一段下の階層になる。
それは、
「火」である。
これは「覇道」といわれる。
「王道」がプレジデントであり、君主であり、教祖であり、政治家であるとするなら、
火の「覇道」これは軍隊であり、実働部隊であり、司教、僧正であり、秘書筆頭である。
この覇道のおこなうところは礼である。
これは言葉を換えれば、大衆扇動である。頭をさげて相手を気持ちよくさせ、相手のメンツを立てて、
自分は実利を得る。
大衆迎合しているとみせかけて、大衆を洗脳し、自分の意のままにうごかす。逆らう者は、
覇道、つまり力をもって叩きつぶす。
力による政治である。覇道は日本ではただ単に力によるごり押しと考えられているが、これは
兵法における「火」の用法をしらなければ実際に通用しない。ただの強権政治は反感をもたれ、転覆される運命にあるからだ。
火とは「礼」である。相手に頭を下げるのはタダである。コストがかからない。つまり、
大衆迎合、ポピュリズムによって大衆の望む幻想をみせ、動かす手法。
理想、夢の国を見せて動かす。地上の楽園、王道楽土、明るい未来、進むは極楽、退くは無間地獄など。
田中角栄の列島改造論、池田勇人の所得倍増計画などもこれの類する手法である。
田中角栄なども、従うものは徹底して優遇し、逆らう者は徹底的に弾圧した。
ここまでが指導層の用法である。
この階層戦略は併用してバランスよくつかわないと崩壊するものであり、どちらも必要であって、どちらかだけを突出して用いれば崩壊に繋がる。
これが階層戦略の上位思想である。
これに対して中域、実務レベルが心得るべき戦略は
土「天道」である。
これは信である。
ウソをつかない、正直に事実を提示する。
ここでも外交の場の実務者レベルにおいて「水」である「詭道」を使えば、信用されなくなり、
周囲に連合を組まれて徹底的に叩きつぶされ、国益を失いことになる。
官僚、外交官はあくまでも事実に基づいた報告をなさねばならない。
官僚がウソを流布する国家は衰退し、崩壊に向かう。
そして下層、労働者レベルである。
最下層の上位は
金である。これは義であり「法治」である。道という言い方で語るなら「正道」である。
一般労働者は法律を守り、勤勉に働く。ある意味、当たり前のことである。
これによって治安は守られる。そして、我々末端の労働者はこれを守っているかぎり、通常、
上層部の統治者から危害を加えられることはない。
自らの身をまもるすべである。
その下層に水、つまり「詭道」がある。これは最下層であり、上位のものを守った上でなければ行使することはできない。つまり、上位である「法治」を無視して「詭道」を使えば逮捕投獄されておしまいだ。
「あくまでも法治の範囲内でしか行使することはできない」
これは戦場では無視されてもよいと考えられがちであるが、制服をきた正規軍は正当な扱いをうけるが、国際的取り決め、国際条約を無視したテロリストなどはルール無用の無差別攻撃に晒され、国家としても認められず、国際的取引からのスポイルされる。国として成り立たない。あくまでも、いままで列挙した
上位思想を行使した上でしか使うことができない。
つまり、水の行使「詭道」は最下層にあたり、それを行使するものは、上位思想に支配され、従属された状態にあることになる。
これら、基本的な立ち位置を理解したうえで孫子の兵法を行使しなえればならない。
つまり、基本中の基本は、自分はどの立ち位置にいるか、己を知ることからはじめる。
日本人の多くは、おそらく、最下層「詭道」の辺りをうろちょろし、その上で、上位から大衆扇動され、人からすり込まれた思想を自分の頭で考えたと思い込み、「オレって頭いいー!」「へっ、こいつら愚民だな、オレはちがうし」「オレってすげー!」と人から洗脳された思想に踊らされて悦に入っている烏合の衆である。
まず、自分がそうした位置に置かれていることに気づくことから始めなければならない。
みなさんの学習ライフが充実したものでありますように。