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星空の下で  作者: 春野涼
4/4

自覚

次の日の朝、わたしは玄関先で莉子と会って声をかけられた。



「おはよーアヤナ!」



「おはよー莉子……」



「えっ! どうしたのアヤナ? 朝からすごく疲れている顔してるけど」



莉子がビックリしたようにわたしにたずねてきた。よほど、わたしの顔が疲れているに違いない。



結局、昨日はぐるぐる考えていてまた寝不足になってしまった。わたし1人では、解決できないと思って、すがるように莉子に放課後空いているかたずねてみた。



「莉子、部活行く前の放課後空いてる?聞いてほしい話があるんだけど」



「大丈夫だけど、放課後まで平気?」



「うん」



莉子が心配そうだ。

ごめんね……。心配させて。



「無理しないでね?」



「ありがと、莉子」



わたしは無理やり笑顔を作った。それを察したのか莉子がよしよしと頭を撫でてくれた。



教室に入りいつも通りの日常がそこにはあり、いつも通り授業を真面目に聞くわたし。



……いつも通りじゃないのは眠気との闘いだけ。



放課後が待ち遠しかったわたしは、今日一日が長く感じた。



そして、ようやく待ちにまった放課後、葵と悠里は部活へ行く。



「じゃあ、部活行ってくるね!」



「行ってらっしゃーい」



わたしと莉子は葵と悠里に手を振り教室で別れた。そして、莉子と2人きりになりわたし達は机とイスを向かい合わせた。



「さて…と、聞いてもいい?」



莉子が何があったのか話すよう促した。わたしは、莉子に昨日の出来事や自分の気持ちを話した。



そして、わたしは莉子にたずねてみた。



「これってもしかして、恋なのかな?」



莉子は、綺麗なロングの束を耳にかけてそれから口を開いた。



「昨日、そんなことがあったとはねぇ……。なかなかハードな一日だったね」



と言い、そして



「それは恋だよ」



と答えた。



……やっぱりそうなんだ。



薄々そうなのかなとは思っていたが、恋がどうゆうものかも分からなかったし、他人から直接言われると恥ずかしい。



恋愛経験ゼロのわたしは莉子にたずねる。



「でも一昨日会ったばかりでそんなすぐに恋に落ちるのかな?」



「恋に落ちるのって時間は関係ないよ。気づいてたら、恋に落ちてるもん。誰かが言ってた。『恋はするものじゃなくて落ちるものだ』って」



「名言だね」



わたしは力なく笑った。そして自分の今の気持ちを莉子に話す。



「こんな気持ちになるの初めてで混乱しているしどうしたらいいか分からなくて」



「まずは自分が恋に落ちたことを自覚してその気持ちを大切にしてね」



莉子が優しく笑ってくれた。



「うん……」



わたしも照れながら笑う。すると、莉子が突然イスから立ち上がって



「……あぁー! もうアヤナは可愛いなー! 私が男だったらほっとかないわ! アヤナが好きだと知らない翔太は罪だ!」



と言ってきた。



「えぇー? いきなりどうしたの?」



急にそんなことを言うのでわたしもビックリだ。



「本当のことを言ったまでよ」



と笑ってイスに座り直した。そして、続けて



「まあ、もっと聞きたいこととか色々あるけどアヤナもそろそろ部活の時間でしょ? 続きはまた月曜にするわ」



と言ってくれた。



時計を見るとそろそろ部活に行く時間である。



「ありがとう、莉子。一人でずっとモヤモヤしてたから話して楽になった」



「いいえー、こういうことは話すことで楽になるしね。……と言うかわたしの方がいつも敦の愚痴とかに付き合ってもらっているし、私の方こそありがと!」



莉子は笑って言った。



「あっ、それから」



「なに?」



「葵と悠里にもこの事話してみたら? 確か葵は翔太と小学生の頃から同じ学校だし、悠里は恋愛経験も豊富だし相談したらアヤナの力になると思うよ?」



「……じゃあ、月曜の昼休み相談してみようかな?」


「うん、きっとアヤナの力になってくれる」



「莉子、本当にありがとう!じゃあわたし、そろそろ部活行ってくるね」



「行ってらっしゃい!」



莉子は笑顔でわたしを送り出してくれた。



莉子に相談して良かった。

自分の気持ちを大切にしよう。



昨日とは逆にわたしは少し気分が落ち着いて足取り軽く部室を目指した。

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