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第1話 平成より来たる者

短期連載です。


そして仮想戦国時代を舞台にした、タイムスリップコメディアクションです。


ガチな歴史オタクさんが見ると発狂モノなので、いっそのことファンタジー小説を読む感覚でお願いします。

皆さん初めまして!


私の名前は衣笠(きぬがさ)(ハル)、東京のとある高校に通う17歳の現役女子高生!!


好きなモノは歴史! 特に日本史! と、げそのから揚げとイカ墨パスタ。

嫌いなモノはただ甘いだけのお菓子と、ただ甘いだけの男。


そんなどこにでもいる普通の女子高生の私ですが、今、そんな普通ではない大変な事に巻き込まれていたりするのです!!


「なんじゃこりゃああああああああああああああ!!!!!??」







全ての始まりは約10分前。


その日は早く学校が終わり、私は早々に帰宅し、最近出たばかりの歴史シュミレーションゲーム「頼綱の野望」をプレイしていました。


いかにして武田と同盟結んで織田の肥大化を食い止めるか、北の神保と畠山、そして本願寺の尾山御坊を上杉よりも早く奪取できるかがポイントなんですが…


って、そんな事はどうでもよくて!!


とにかく、普通にゲームをプレイしていたら、


「敵は高堂城にあり!!」


って、突然どこからともなく野太いオッサン声が聞こえて、


「ん? なに?」


って、何気なく後ろへと振り返った瞬間、


「え!?」


そこに突如現れた、真っ黒な渦巻きみたいな、空間。


全米で愛用されてる吸引力の落ちないただ1つの掃除機ばりの凄まじい吸引力を放つその黒い空間。


「なっ…ちょ!!?」


で、なんの抵抗も出来ず、コンマ2秒でその空間に吸い込まれた私。







そして、気が付いた時には…


「ここどこぉぉおおおおおおおおお!!?」


私は家でゲームをしていたハズなのに、そこは…


澄み渡る青い空!


足元に広がる緑の草原!!


辺り一面にこだまする、小鳥のさえずり!!!


ビバ、お外!!!!!


「なんだこれは…何が起こって…」


全く見覚えのない大草原のど真ん中に、テレビゲームのコントローラーを持った私は1人、立っていたのです!


「そんな…私はただ、家でゲームをしてて、で、突然黒い何かが現れて、それに吸い込まれて…」


錯乱状態。


全くと言っていいほどの突然な出来事に、パニック。


「はっ! これは…まさかの夢!?」


ほっぺつねり。


「痛い…」


夢では…ない?


「そんな…意味が分からない」


織田と同盟組もうと信頼度上げてたのに慶次が突然宣戦布告してきて織田との関係が断絶になった時くらい意味が分からない。あ、ゲームの話です。


「ホントに…何なの、コレ?」


その時、


「あ、あんな所に女子(おなご)がいるぞ!」


「あ、本当だ! 女子だ!」


「捕縛しろ!!」


…更に意味が分からなくなった。


ありのままの状況を文にしたためますと、


甲冑を着た男3人が、刀を振り上げながらこっちに向かい全力ダッシュしてくるの図。


「…え?」


その距離、あと100メートルくらい。


「捕縛だ捕縛!!」


「捕まえて殿に献上だー!!」


「飛騨国司万歳!!」


と、何言ってんのか分からない(わけでもない)奇声をあげながら、こっちにダッシュしてくる3人。


正直、甲冑の重さのせいか、尋常じゃないくらいに遅い。


全力ダッシュ言っても、小学生の全力ダッシュ並み。


そんな事よりも…


「あれ、本物の甲冑? 本物の刀!?」


興味>恐怖


「すごい…本物だったらすごい!!」


冒頭にも述べた通り、私は歴史大好きな人間である。


ああいうのには興味しか湧かない。


「あ、あの女子、なんかこっち見て笑ってねぇか?」


「なんだ、恐怖で脳がイカレタか?」


「それとも俺たちなんざ屁でもねぇみたいな、余裕の表れ的な?」


私と3人との距離、残り50メートル。


まだ私は逃げない。あの速度ならまだ大丈夫。


「すごい…本物だ! すごい!!」


あの甲冑の錆びれ具合、刀の曲がり、鈍い光沢。


まさにモノホンソード!!


「あの女子、この距離でもまだ逃げないのか!?」


「なんか…不気味だな。普通なら逃げるぜ」


「ほ、本当に余裕だ的な…?」


全く動じない私に、逆に動揺する3人。


残りの距離、あと30メートル。


そろそろ小走りで逃げの体制に入る私。あくまで小走り。


向こう、全力ダッシュ。


「お、おちょくってやがる…あの女子、俺らをおちょくってやがる…」


「ナンテコッタ…ヤバい匂いしかしねぇ…」


「まさかの最強女子的な…」


なんか知らないけど、向こうがビビり出した。


そんなことはどうでもいい。


「本物の甲冑だとしたら、あれって勝手に身に纏っていいものなのかな?」


それにあれが本物の刀だとしたら、銃刀法違反…


その間も、小走りの私と全力ダッシュの男3人との追いかけっこは継続。


「お、追いつけない…なんだあの女子は…(自分たちが遅いと気づいていない)」


「速い…まるでウワサに聞く蒼天疾駆の如く!!」


「風魔一族にだってあんな速いヤツはいないぞ的な!!」


ん? なんか今すごく気になるワードが…


風魔って、戦国時代の、あの忍のこと?


もしかしてこの人たち、ただの歴史オタクコスプレ馬鹿?


「あ、あの!! もしかして皆さんは、歴史好きのコスプぅおおおっ!!?」


小走りで、後ろを向きながら、話をしたのがいけなかった。


さっきまで室内でゲームをしていた私、今もそのまんまの恰好。


学校の制服(みんな大好きセーラーだよ!)に、靴は履かずの黒ニーソ(みんな大好きだよね!)。


ちっちゃな土のくぼみに足を取られ、転倒。


「ああああああああああ(バタンっ)!!」


身体をひねりつつ、顔面からいきました。痛かったの何のってレベルじゃなかった。


「あ、女子がスっ転んだ!!」


「間抜けだ!!」


「今だ、捕縛しろ!!!!! 的な」


「痛っ……!!」


顔面強打の鈍い痛みにのたうちまわっていた私。


そして近づく、3人の甲冑男子。


「捕縛だぁ!!」


1人の合図と共に、一斉に飛びかかってくる甲冑男子達。


「あ、ちょ、まっ…」


あんな重くて堅い甲冑を着た男3人に飛びかかられたら、圧死する!!(多分・推定)


「待って!!!!!」


その時…








「何をしている。下がれ、馬鹿」




私の後ろから聞こえた、鋭く尖ったような男性の声。


「なっ…と、殿!?」


「なぜこちらに!?」


「今日は松倉にて謁見のはずでは…的な」


突然ぴたりと止んだ、甲冑男子3人の攻撃。


「ああ、それはもう終わった。とりあえず…羽柴とドンパチかます事になったから、頑張れよお前ら」


羽柴…?


「なっ…そりゃマジですか殿!?」


「む、無謀すぎやしませんか?」


「殿、ご乱心的な?」


何?


転んでうつ伏せで倒れている私の上で何が起きてるの!?






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