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右の五ヶ條は軍人たらんもの(いささかも)(おろそか)にすへからすさて之を行はんには一の誠心(まことごころ)こそ大切なれ抑此(そもそもこの)五ヶ條は我軍人の精神にして一の誠心は又五ヶ條の精神なり心誠(こころまこと)ならされは如何なる嘉言かげんも善行も皆うはへの裝飾(そうしょく)にて何の用にかは立つへき心たに誠あれは何事も成るものそかし况してや此五ヶ條は天地の公道人倫の常經(じょうけい)なり行ひ易く守り易し汝等軍人能く朕か(おしえ)(したが)ひて此道を守り行ひ國に報ゆるの(つとめ)(つく)さは日本國の蒼生擧(そうせいあが)りて之を(よろこ)ひなん朕一人の(よろこび)のみならんや

明治十五年一月四日

御名(ぎょめい)



伊野上が言い続けている。

「これまでの5カ条は、軍事である者は、わずかでもおろそかにしてはならない。これを行うためには、一つの誠心が大切である。そもそもこの5カ条は、我が軍人の精神であり、誠心はまた、この五カ条の精神である。心が正直でなければ、どのような嘉言も善行も全てはうわべの装飾であり、何の役にも立たない。心が誠であれば、どのようなことも成功する。まして、この五カ条は天地の公道、人倫の常経である。行うことも守ることも簡単である。君たち軍人は、よくよく我が教えに従って、この道を守り実行し、国に報いるという務めを尽くせば、日本国の人々は皆がこれを喜ぶであろう。私一人の喜びだけではないだろう。

明治15年1月4日。

御名」

桃子が言った。

「誠心ということは、正直でいろとかそういう意味なの?」

「大体そんな感じだね。嘉言は良い言葉、善行は良い行い。二つ合わせて嘉言善行という四字熟語があったりするよ。常に正直であって、これまで見てきた5カ条を守っていかなければならないということだね」

「さっきも言ったけど、軍人だと言っていても、軍人以外も必要なことなのかもね」

「かもね」

ここで伊野上がパソコンを閉じた。

「さて、これで終わりだ。次はどうする?」

「お腹すいたから、ごはん!」

「はいはい。冷凍で良いんだったらあるよ」

二人は、部屋から出ていった。

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