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第1話
死体回収業務は真似っこさん
CASEK 1
真似で救われる人生
第1話
私が「真似っこさん」を初めて知ったのは、噂話だった。
勿論、ただの噂話だと思っていた。
だって、そうでしょう?
昔話の中の生物は確かに、人並み外れた能力を持っている。
化け物が人に化ける話も少なくない。
別に知り合いに化けて惑わすと言うストーリーも珍しくない。
別に死者に化ける伝承も珍しくない。
「会いたい死者に化けて、死体を連れて来る」
なんて話、誰が信じられるだろうか。
物語の中の存在は、実在しないからこそ、楽しい話なのだ。
実際、私も信じていなかった。
ただ、「あの子」の許嫁が死んで、「あの子」が壊れた時から、その噂を信じたくなった。
正直、藁にも縋る思いだった。
その男が私の前に現れたのは、私が「真似っこさん」を探し始めてから、半日も経たない時だった。
気味が悪かった。
タイミングと言い、声の掛け方と言い。
しかし、その男の放つ言葉、動作、駆け引き。
憎々しくも、私が断れないところを、的確に突いてきた。




