第八章〜
時間がかかっています。書かせていただきます。お読みになっていただけましたら幸いです
ショッキングタイフーンとやらを受けた僕は、敢え無くそこに崩れ落ちたのだが、それでも意識だけは保っていたのだ。倫子が歩み寄ってくる足音がした。
ああ!倫子!こっちに来てくれるのかい?嬉しいよ。早くきておくれ。
僕は思った。気絶したふりをしながら。息遣いで彼女が僕の傍らにしゃがみ込むのがわかった。
──なにをするつもり?
僕は期待しながら緊張した。なにしろまたま、倫子はお怒りモード全開中であるハズなのだ。
額に触れる異様に冷たい指先の感触があった。僕はハッとした。何をするつもりだ?とどめを刺すつもりか?
僕は覚悟を決めた。彼女にやられるのならそれでもいいような気がしていた。
しかしそれ以降進展がなかった。指の動きは ピタリと止まり、まるで僕の額を慈しむかのように優しく静止しているのだった。
気絶のふりを続けている僕は目を開けることもできなかった。まず彼女の気持ちがわからないからだ。下手に動くことはできなかった。
金箔の時間が続いた。彼女の息遣いだけが聞こえた。静かな 息づかいだ。
嗚呼!倫子。君は美しい──。
この気持ちが伝わってくれ!僕は願った。
以心伝心というものがあるかどうかは知らなかったが。
と、突然。
「スペシャルマーベリック」
倫子が呟いた。技の名前だろうか?やっぱり僕にとどめを刺すつもりなのどろうか?それほど彼女は怒っているのだろうか?
──嗚呼!好きだよ!大好きだ!
思ったその時だった。
「あら!そお?」
彼女が呟いた。
え?
「そうなの?嬉しいわ」
へ?は?
僕は思わず目を開けてしまった。
になっていただきまして誠にありがとうございました。次、書きます。