第六章〜攻防
御時間かかってしまいました。書かせていただきました。どうかよろしくになっていただけましたら幸いです。
ふっ
倫子が小さく息を吐くのが聞こえた。
さらに間合いは詰められていた。
ローリングスパイラル!
彼女が小さく叫んだのと同時。鋭い痛みを腹に感じた。
──ローリングスパイラル。
それは、倫子得意の後ろ回し蹴りにつけられた技名だ。
倫子の踵は、目にも留まらぬ速さで僕の腹にヒットしていた。
一瞬、息が止まった。吐いた息を再び吸えないのだ。
う、く
僕は呻いた。だけど、攻撃の手は緩められることはなかった。
『ファイアサポート!』
それは倫子の拳による打突技の名前であった。
主に包まれた拳が頬に飛んできた。僕に避ける術はない。
うぐあ!
僕は吹き飛んだ。日光で焼かれた屋上のコンクリートの床に崩れ落ちた。
「ま、まってくれ!待ってください倫子さん」
僕は土下座の形を作って訴えた。
「なんで反撃してこないのさ?君だって何か必殺技は持ってるのでしょう?」
倫子。
「ふ、そんなものはないさ。あったとしても、君を傷つけるような行為は出来ない。これでいいのさ。倫子ちゃん。素敵だよ」
と僕。その時である。
「あら、そお?」
甘い声が聞こえた。倫子の目の色が変わった。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました