第二章〜捜索
まだ開いてしまいましたが 続きを書かせていただきたいと思います。よろしくお読みになっていただけましたら幸いです。
猪俣先生の声はしていたが、ぜんぜん僕の耳には入ってきはしなかった。
授業中でも頭の中は、倫子のことで一杯だったのだ。
何かと怒りっぽい彼女であるが、僕はそんな倫子でもあまり大きくは道を踏み外さないでいて欲しいのだ。
僕は考えを巡らす。
──仮に倫子が犯人だとして。では、何故何のために彼女はそんな暴挙に出たのか?僕にはまだ何もわからなかった。ただ、原因としては彼女の過度な怒りの感情による発作的な行動であるようには思われるのだった。何者かが、倫子を本気で怒らせたのだ!
いや、逆にこれだけで済んでいるということは、本機では怒らせていないということなのかもしれないけれど。
いずれ倫子のことだから、何かきっと大きな動機があってのことだろうとは思われた。
僕の頭の中には、倫子を誰よりも早く見つけ出して、ふたりきりで話してみたかったというのがあった。僕は彼女が好きだ。彼女を落ち着かせられる、そんな自負があったんだ。
ちなみに僕は倫子のケータイ番号は知らないし。ラインIDでさえ知らないのだ。何の彼女にはそれを多くて近づけないから。女子の取り巻きがいて恐れ多くも 近寄ることは簡単にはできないのだ。
僕は誰彼構わず ケラスの奴らにラインして倫子のIDを教えてくれと頼んでみた。だが、箝口令でも敷かれているのか、ことごとく断られ続けたのである。
引き裂かれた 体操着。それが何かを暗示しているのではないかと僕には思えてきた。焦りは募った。
次の安い時間までに対策を考えなければなるまい。
倫子との誰よりも早い邂逅を果たしたくて。
その頃には、引き千切られたような体操着の噂は、クラス中に広まっているようだった。クラス中が微妙にざわついているような気がしたが、それは気のせいではないようだった。
僕のスマホにも、倫子に関する話題がいくつも飛び込んできた。
今彼女に近寄るのは危ない。
今どこにいるのだろう?身を隠しているのか?
彼女の自宅 知ってる?
被害者の無事を 確認せよ。
次の休み時間に会おう──。
こんな感じで。そのほとんどが役にも立たなかったけれど。
そうか。まずは被害者を探し出し その無事を確認することから 決めなければ 手遅れになってしまうかもしれない。俺が先決だ。
方針は決まった。次の休み時間が勝負だ。
読みになっていただきまして誠にありがとうございました。まだまだ書こうと思います よろしくお願い申し上げます。