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TSした親友がヤンデレ化しました  作者: 如月
第二章 TSした親友がヤンデレになりました
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018 クリスマス

 12月24。世間はクリスマスイブということもあり、大変な賑わいを見せていた。かく言うこの二人、智之と蓮も少しばかりいつもよりテンションが高く、街の駅を飾るイルミネーションを見に来ていた。


「ニヘヘ。綺麗だね。」

「ああ、綺麗だ。」


 駅の広場には中心に大きなツリーが飾られており、その周りを美しくライトアップされている。近隣の小中学校の生徒たちの手で作られた飾り物は不格好なものもあるが、それでさえも場を盛り上げるには十二分だ。


「まだ時間あったよね。」

「ん?ああ、全然余裕だな。」

「なら、ちょっと回ってみようよ。」


 並んで歩いていた二人だったが、蓮は何かを思いついたようで前方へと小走りする。そして、少し先で立ち止まるとアイスブロンドをたなびかせながら、その場で美しくターンをする。

 蓮は正面から智之へとにこりと笑うと、少し俯き口元を隠すように手を持っていく。その後、伺うように智之へと目線を向ける。


「ああ、折角だしな。」

「ニヘヘ、早く行こっ。」

「はは、あんまり走るなよ。」


 智之が提案を飲み込むと、蓮は嬉しそうにキュッと身体を締める。そして、待ちきれないように智之の方へと駆け寄ると、ポケットに突っ込んでいた手を無理矢理引き抜いて、智之の身体を引っ張っていく。

 智之は何処か子供っぽい蓮の仕草に笑みを浮かばせながら、抵抗もせずなされるがまま身体を蓮の好きにさせた。




 二人がひとしきり広場を回るころにはちょうど良い時間になっており、本来の目的地へと揃って足を踏み出した。


「ここかなぁ?」

「たぶん。」


 二人が立ち止まった先にあるのは小さなクリスマスツリーが飾ってあるイタリアンレストランである。いかにもおしゃれな雰囲気をしており、否応なしにも二人のテンションは上がっていく。


「いらっしゃいませ。ご予約されていたお客様でしょうか。」


 カランカランと来店の音が響くと、すぐさま質のいい給仕服をきた男性が二人を出迎えた。外の寒さに比べ心地よい温度の店内はそれだけで二人の心を温めるには充分であった。


「あ、はい。逢沢で予約していたかと……。」

「ただいま確認いたしますので、少々お待ちください。」

「はい。」


 クリスマスという日もあり奮発したからか、丁寧に出迎えられる二人はお客であるにも関わらず、緊張感を隠せてはいない。

 蓮に至ってはきょろきょろと小動物のように周りを見渡しながら、心なしか縮こまって智之の背に隠れている。


「お待たせいたしました。お席へとご案内いたします。」

「お願いします。」


 店内の席はほとんど満席状態ではあったが、まばらに談笑の声が聞こえるだけで落ち着いたいい雰囲気のお店であった。

 二人は席にすぐに辿り着き、給仕に勧められるがまま対面して席に座る。


「なんだか、緊張しちゃうね。」

「ははは、こういうところは中々来ないからなぁ。」


 白いテーブルクロスの上にはすでにナプキンやフォークが置かれており、それを二人して周りをきょろきょろと見渡している。

 そして、二人して見渡しているのに気が付くと、同時に口元に手を当ててくすくすと笑い声をあげた。


「ニヘヘ。でも、偶にはこういう空気もいいかも、ね。」

「ふっ、後ろに隠れてたくせに?」

「むぅ。いじわる。」


 智之は笑みを浮かべて言った蓮に対して揶揄う様な視線を送りながら軽口をたたくと、蓮は頬を少し膨らませながらいじけたようにそっぽを向いた。


「ははは、悪い悪い。」

「ニヘヘ、いいけどね。」


 だが、次の瞬間にはお互いに目を合わせ合うと微笑みを浮かべ合った。




 二人は次々運ばれてくる料理に舌鼓を打ちながら、穏やかな時間を過ごしていた。が、ついに料理もデザートを残すのみとなり、そろそろ退店する時間が近づいてきていた。


「ニヘヘ、全部美味しかった。」

「だな。雰囲気もよかったし、また来れれば来たいな。」

「うん。絶対に来ようね。」

「お待たせいたしました。」


 デザートとしてテーブルに運ばれてきたのはジェラートである。

 透明なカップの中には白いジェラートが入っており、季節の果物がのせられており視覚的にも色鮮やかで楽しいものだ。


「わ~!!」

「美味しそうだな。」


 歓声をあげた二人の目も輝いており、デザートへの期待感がよくよく分かる。

 二人は小さなスプーンを持つとジェラートとへとそれを入れ込んでいく。スプーンはするっと抵抗なく入っていき、一口分のジェラートが二人の口へと運ばれる。


「わっ、口で溶けるように消えたと思ったら、すぐに濃厚なバニラの味が口に広がった。これは美味しいね。」

「それだけじゃなくて少し酸味のある果物と一緒に食べることで、甘さと酸味が見事に調和して、どんな年代の人でも美味しく感じるな。」


 二人は一度食べ出すとスプーンを運ぶ手を止められず、あっという間に器を空にしてしまう。


「満足だね。」

「ははは、よかったよ。」


 瞬く間になくなってしまった器を二人は満足そうな笑みを浮かべて見つめた。

 そして、二人は会計を終えて店から退店しようと扉を開けた。

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