3.いざ新天地へ!
短いです(*´Д`)
「はぁ…」
「どうしたの、姉さん」
経緯を思い出して思わずため息をつくと、サファイアが声をかけて来た。
「うん。こうなった経緯を思い出したら、つい…ね」
「あぁ…」
納得したように、サファイアが頷く。
「もう過ぎた事は忘れよう!いざ新天地へ!」
気を取り直して、青空に向けて拳を掲げて宣言する。
「そうだね、とりあえず南のフルーツ国に行くのがいいかな。観光客が多いから紛れられそうだし、今は収穫期だから雇用先も見つかりやすそうだ」
弟の提案に、賛成する。
「よし、フルーツ国にGO!」
私とサファイアは、南に向かった。
~同日夜、ジュエリー城にて~
城のある一室に3人の男が集まっていた。
明かりはなく、窓からさしこむ月光のみが唯一の光源だった。
「コランダム男爵の奴…余計な事を」
男の1人が苛立ちを隠しもせず、吐き捨てる。
「全く予定外だったね、まさか婚約の申し込みを承諾するとは」
別の男が、呆れたように肩をすくめる。
「そんな呑気に言ってる場合じゃありませんよ、プランAが完全に潰れたって事ですよ!?一番穏便な策だったのに!」
「そんな事言ったって、潰れたものは仕方ないよ。次の策を考えよう」
最初の男が食って掛かるが、相手にあっさり受け流されてしまった。
更に言いたそうにしていたが、正論と思ったのか特に反論はなかった。
それまで2人の様子を無言で眺めていた3人目の男が、口を開いた。
「…コランダム男爵は、どうしている?」
「とりあえず牢に入れてます。支度金詐欺という事で」
2番目の男が報告する。
「どうしますか?」
最初の男が訊ねると、部屋の奥にいた3番目の男がおもむろに窓際に立った。
「どうもこうもない。婚約成立は驚いたが、予想していなかった訳じゃない…プランBに移行する」
「では…やはり」
最初の男が、固唾を飲む。2番目の男は予想していたのか、無言だった。
「あぁ…第一王子には『国外に出た婚約者を捜索中に、不慮の事故で死亡』してもらう」
その言葉に2人は、無言で恭しく一礼する。
「相手の婚約者は、フルーツ国に向かったそうだ。あそこは常に観光客で賑わっている…他国人が事故にあっても不思議はない」
男が薄く笑みを浮かべて呟いた時、月光がひときわ強く差し込み、王族特有の金髪を照らし出した。
なるべく間を開けずに頑張るので、見て下さると嬉しいです(*´Д`)