第2話
続きです。やはり文章の尽くが拙いですね…
「願いを聞いてもらえる回数を無限にして下さい。これが私のたった1つの願いです。」
「へ?」
「願いを聞いてもらえる回数を無限にして下さい。これが私の『たった1つの』願いです。」
暫く静止し、動かないままであった神、テミスは現実を受け入れつつあるのか、徐々に顔が青くなる。その隣には愉悦に浸る私がいる構図だ。私は遂に言ってやった。スキルが100、200?そんなんじゃ甘い。甘すぎる。ステータスが全てカンスト?甘いです。弱いです。赤子と大人の差よりずっと遠い。無限には遠く及ばない。もう無限しか勝たん。無限という言葉が気持ちいいし心地良い。生きていたなら脳内麻薬が一生分分泌されているだろう。それ程の快楽を感じていた。無限。何と綺麗で響きの良い言葉なのだろう。これ以上にバランスの良い言葉はこの世に存在するのだろうか。
「の、望みの変更とかは…」
「私、変更するなら2回も同じ言葉は言いませんけど。」
「びえええええん!!!!なんでぇー!!」
これ程泣く事なのか。神の威厳も糞も、知的生物としての威厳の欠片さえ無いぞ。なんだかこっちが悪い感じになっているでは無いか。だがこれで同情するのは違う。なんたって私は卑怯だからな。生まれ変わるに当たって、考え方を流される人間から変えねば。
これ以上のチートは存在しないであろうチートを手に入れられる喜び。今迄の生活の苦しさはこの為にあったのだろう。だって思いついたものを尽く手に入れられる喜び。全能感をこれ程かと感じるぞ。
……仕方ない。この駄女神をあやさない限り、物事が進まない。
「テミス様ー。テミス様ー?そろそろ泣き止んでくださいよ。」
10分はくだらないであろう時間縮こまって泣いている為か、そろそろ次に進みたくなってきた。神の容姿はとても綺麗だ。今迄テレビとかは勿論、街中等、今迄の見聞でも知らない程、綺麗な容姿をしている。そんな容姿をした神が目の前で泣いているのだ。正直、今の精神状態に良くない。自分で言った意見を訂正し、何か違う事を願いにしそうだ。
「うぅー、だってぇー…普通分かるでしょ、こうゆうのって何か一つ選んで転生していくものじゃないの?」
正解だ。普通は1つ何かしら選んで転生していくだろう。普通の場合は。只、あくまでも常人の場合での話。感性が狂った様な異人が来たら、そりゃ爆弾を抱えて来るに決まっているだろう。
「じゃあ最初の願い。テミス様、泣き止んで冷静になって下さい。」
「はい。」
おお、もう願いの効力があるというのか。こっからどういう願いを言っていくかだな。
「異世界転生ということですが、僕らの世界で言うステータス的なものはあるのでしょうか。と言うより、転生する世界の常識等を教えて貰いたいです。」
「了解しました。先ずですね、その異世界は…」
長い説明であった。要約すると、言語は地球上に存在しないが、転生者や転移者という者もテンプレ通り存在するらしく、その様な者達に至っては自動で翻訳等をしてくれるという。暦は1年365日固定、数は十進法。文明は地球で言う中世の時代程度。
又、テミスはその転生先の世界の神と地球が存在する世界の神とが仲が良い事を教えてくれた。異世界側の世界観を地球側の神が遊戯のつもりで地球の人間達へと持ち込んでみたのだという。まぁ、その後テミスは地球の神を干渉した罪で裁いた時にそれを知ったそうだが。結論としてはテンプレと粗同じ世界観であると思って構わないらしい。只し、魔法を行使する際は魔法陣を用いる必要があるのだという。
「成る程。じゃあ、私みたいな奴が転生したら、世界のバランス壊れますね。」
「本当にそうですよ。それ故に困るのです。」
流石に世界を破壊したいとは思わないかな。世界を破壊せずに思う存分チート能力を揮う方法。それを踏まえてチート能力を取得していくならば…
「じゃあ、取り敢えずその世界でのスキルですが…」
数時間が経った頃、私のステータスは、
水準:99999+∞
体力:99999+∞
攻撃:99999+∞
防御:99999+∞
魔法:99999+∞
敏捷:99999+∞
能力:完璧制御、自動制御、誤差無発生、一部封印、完全封印、一部解放、完全解放、限界突破、悪影響無効化、刹那全回復、全魔法操作(火魔法・水魔法・風魔法・土魔法・光魔法・闇魔法・星魔法・火炎魔法・大海魔法・天空魔法・大地魔法・聖光魔法・暗黒魔法・宇宙魔法)、複合、無詠唱、根源創造、根源発展、創造顕現、創造付与、空間操作、ベクトル操作、全武器技能極限、完全模倣、成長無限加速、世界理解、理干渉、理歪曲、理改変、絶対改竄、絶対鑑定、絶対隠蔽、
称号:正義、最底辺、神泣かせ、神を虐める者、不義、変人、チートを所持する者、不変、大賢者、戦神
本気で考えた。色々なラノベを読んだ中、異世界系のチートを扱った作品は多かった。それらのチートを思い起こして生まれたステータスがこれだ。因みに今もステータスに至っては伸び続けている。言葉にすると無限の中の無限的な、もう誰も止められない事になった。強いて言えば己の意思でしか止められない事となった。転生する異世界では攻撃等のステータスの平均は100だそうだ。
…これぞ最高じゃないか。テミス様は、「不覚にも、全ての神々を結集させて戦っても、貴方には勝てないでしょう。私は神の権限で何という怪物を生み出してしまったのでしょう。」とか言ってた。そんなん知らん。法を司る神が、一番法に縛られない者を生み出してしまったのだ。変な条件で契約しようとした神の責任だ。
後、世界の崩壊を防ぐ為に能力、所謂スキル。これに制御に関するスキルと暴発を防ぐ為に封印に関するスキルを取得した。これによって、転生する直前に枷を付ける事にはなるが、楽しい縛りプレイの異世界生活を満喫できるであろう。「99999」で取り敢えずステータスはカンストらしい。
「後、一つ気になることがあったのですが、私を転生させるにおいて、世界に干渉する事になると思うんですけど、これって良いのでしょうか。」
「彷徨い、流れて来た魂の処遇は流れ着いた所の神が一任される事となっており、この事で行われる事に対する責任は一切問わないというルールをごく最近、私が設けたんです。余りにも干渉出来ない事に対して不満が多かったものですから。これによって間接的な干渉を可能にしたのです。そして丁度良いタイミングで貴方がこちらに流れ着いた訳です。結構珍しい事なんですよ。1年で1人流れて来るかどうか。更にはどこの神に流れて来るかも分かりませんし。」
「成る程。そのルールを制定する前にアレースとやらは干渉したとみられるんですね。では話を変えまして転生した際の身体なんですが、大体15.6歳程の身体。身長は180センチ程。顔は勿論イケメンで。後は、夜の方はデカめ且つ絶倫で御願いします。」
あとやる事と言えば、ステータスの封印だな。平均的なステータスは100である。ならば30000位にしといてやるか。でも痛いのとかは嫌だなぁ。防御はそのままで良いか。後、他の人に見られても問題無い様に絶対隠蔽のスキルで能力の隠蔽もしとくか。こっちのステータスは600位が良さそうだ。レベルは40位が妥当か。じゃあ最後、取り敢えず誰かに見られるとするステータスを確認するか。「ステータス確認」
水準:40
体力:【30000】(600)
攻撃:【30000】(600)
防御:【30000】(600)
魔法:【30000】(600)
敏捷:【30000】(600)
能力:火魔法、土魔法、風魔法、魔法陣破棄、詠唱省略
称号:魔法使い
こんな感じにでもしとくか。これで目立つことはないだろう。変に目立つ事は出来るだけ避けたい。ステータスが万遍無く割り振られているのは…バランスの良いとトレーニングをしたとでも言って誤魔化すか。
ここまでの時間、気が付いてから半日の時間。正直もう疲れたんだが。主にこの駄女神のせいなのだが、ここ迄結構長かった…気がする。そろそろ頃合いか。まぁ、最悪自分で何とか出来る様に、創造のスキルは持ってるし。
「じゃあ、そろそろ御願いします。転生します。」
「やっとですね。では転生するに当たっては、このゲートを潜り抜けて下さい。」
そうテミスは言うと同時に目の前の空間が歪んで現れたのか、黒い門の様なものが浮かび上がる。冷ここを潜れと言っているのであろう。然し神様が冷静になり過ぎているせいか、トントン拍子に進むのであっけない感が拭えない。何だろう、機械と話している感じがして少しばかり寂しい。卑怯と言っても人間といえる感情を抱かぬ様な、そこまで人を捨てているつもりはない。
「一先ず最後の願い、先程の様な感情の起伏があっても良いと思います。」
「っっっ、最後に態々有難う御座います。私神としては若く、今回の様に至らない部分も多々ありました。流石に貴方の様な化け物を生み出したのは不味いので一切の口外等をしません。色々とやばそうなので……少しばかり怖かったんです。理性は何ら変わりなくあるのですが、何故か感情が湧かなかったのです。まるで人工知能の考え方になった様な。繰り返してですが最後に治して頂き、有難う御座いました。」
頭を下げる神。私が勝手に願いを実行して無機質な神に下げたのは私なのに。頭を下げられる事は普通に考えるにあり得ないのだが…まぁ、それ程までに神の権限による願いの強制力があったのだろう。願いをいうタイミングを見定める事も重要なのかもしれないな。チート持ちって事を楽観視していたのだろうが、考えを改めた方が良いのかも知れない。
「では、行ってきます。」
私はその黒門に脚を踏み入れた。それと同時に先程迄の空間から引き延ばされたのか、一瞬の内に遠くに運ばれる。というよりかは、黒門の空間が神の空間から引き千切られたといった方がいいのかも知れない。そう考えている内に私は新世界へと着き、その空間に1人取り残される。可能性として考えていたがやはり、
「森林のど真ん中かよ…」
これからの異世界での生活はどうなるのであろうか…
ステータス上の「能力」をスキルと言ったりしていますが、同一のものと見て頂けると助かります。