世界の真理に迫るタイプのJK
「ぎぃぃいいいあああぁぁぁぁ!!」
アーク・ゾンビアリゲーターが大きく口を変えてヨイニへ襲い掛かる。
あのサイズ感だと防御力とか関係なく挟まれてしまう。
「あっちょっとそれはまずい!」
「アトラクト・ボール!」
ヨイニへスタンと引き寄せ効果のあるスキルを放つ。
彼女が私の方へ引き寄せられる様に吹き飛んでくる。
「よっと」
それをスッと避ける。
「アニー、サンキュー!」
「がぁぁぁぁあああ!」
ゾンビワニが咆哮と共に火の玉を吐き出す。
「ブロック!」
今度はヨイニが前へ出て大盾を構える。
火の玉は彼女の盾へ当たると衝撃波と共に霧散していく。
「おー、流石の火耐性……」
「ーーせよ!……ウォーターフォール!」
私と同じ様にヨイニの背中に隠れていたシュクレちゃんが詠唱を完成させる。
ゾンビワニの頭上から滝の様な大量の水が叩き落とされた。
「ぎぃぃぃいいいああぁぁああ!」
「おぉー効いてる!」
チャーンス!
「「「「セット・リボルビングパイル」」」」
両腕にパイルバンカーを装填。
「影踏み!」
スキルでゾンビワニの後方に出現する。
実は私、スキルの関係で背後から攻撃するとダメージが増えるのだ。
「フル・ファイアー!」
両腕のパイルを同時に放つ。
「ギュイィィイアァァァァァァァァアア!!」
「影踏み!」
ヨイニの影を目標にもう一度影踏みで帰ってくる。
「おー、まだ動いてる……」
ゾンビワニが咆哮を上げながら暴れている。
その攻撃をヨイニが大盾で受け止め、わずかな隙へ槍を突き刺した。
「もっと大人数で来る事を想定してるボスなのかな?」
「さっきの道を大人数で降りてくるのは無理じゃない?」
「あーじゃあエンドコンテンツに近いのかもねー」
まあ、ボスが数発で倒せるのが本来は可笑しいもんね。
コレは地道に戦うしかないかな。
「暴君な方のボス! コレ蜘蛛の方は無限わきっすね!」
「ムエルケちゃんとクダンちゃんは連携して蜘蛛の処理をお願いー! あっムエルケちゃんはヒールも継続で!」
「了解っす!」
「はっはいぃ!」
「ヨイニはシュクレちゃんを守って!」
「任された!」
「私は前線であのゾンビワニを穴だらけにする!」
「ギィィィィイイイイィアァァァアアアア!!」
ゾンビワニが最後に大きな咆哮を上げて崩れ落ちる。
余裕で30分以上、戦っていた。
「ひー! 大変だったー!」
「途中で行動パターン変わった時は全滅を覚悟したよ」
「アニーさん! あれ!」
ヨイニと話していると、シュクレちゃんが奥の方を指差す。
そこには、紋章? みたいなのが薄く輝いていた。
安全になった地下を皆で近くまでよってみる。
「なーんとなく、この世界を司る神々の紋章に雰囲気が似てるっすね」
「え、ムエルケちゃんって結構、詳しいの?」
「シュクレ師匠に比べたら私なんて無知も同然っすよ。ただ私は途中で宗派を変える儀式を行っているんすけど、その時に使ったアイテムにも似た様な紋章があったんっすよね」
「シュクレちゃん、これ探してたやつ?」
「……」
シュクレちゃんの方を見てみると、無心で紋章の文字を目で追っていた。
完全に自分の世界に入り込んでいる。
「やっぱり……変だ」
しばらくしてシュクレちゃんがボソリと言葉を発した。
おお、人類の世界に帰って来たか。
「私にもわかる様に説明を求む!!」
「えっと、今回の調査なんですけど、実は何もない可能性、結構あるかなーって思ってたんですよね」
「まぁ、そうだよね」
「えっわかってたんですか?」
「確信があるなら確信の持てる根拠をもうちょっと説明するじゃん?」
「えっと、ごめんなさい」
シュクレちゃんがペコリと頭を下げる。
「いいのいいの! 私はその事も勘定に入れて判断したから! それより話の続き!」
「この場合、何も無かったら、何も無いって言う情報が結構大切で、だから確実に何も無かったと言えるだけの調査が必要だったんですけど」
「現に、この紋章があったと」
ヨイニの言葉に、シュクレが頷いて答える。
「この紋章にはどんな意味があるっすか?」
ムエルケちゃんが目を輝かせている。
「紋章はムエルケさんの考察が正解です。神々との契約を結ぶ為の物ですね」
「へー、じゃあコレを使えば私もプリーストのスキルがゲットできるの?」
「この紋章はまだ力を持っているので可能ですが……あまりおすすめしません」
「なにゆえ?」
私の疑問にシュクレちゃんが杖で紋章を指し示す。
「紋章は配置によって色々な意味があります。中央のシンボルが神を示していて、外円にその神が授ける物とか、代償なんかが書かれています」
「この神様は代償が厳しいの?」
「いえ、わからないんです」
なるほど、シュクレちゃんにわからないなら現状、この世界にわかるプレイヤーはいない。
「わかってる事と言えば?」
「この神様へ呼びかける時のフレーズが何種類かと、願い事のフレーズが何種類か」
ふむふむ、なるほどわからん!
「で、ヘイストは!?」
「えっと、それはやってみないと……」
「つまり可能性のあるフレーズを見つけたって事だね!!」
「は、はぃ……」
「よっしゃぁぁぁぁぁああああああ!!」
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