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作者: セロリ

幼少の頃についた癖はなかなか治らない。今日も気がつけば左手の薬指から血が出ていた。爪の横に赤色が丘を作って、そこからじわじわと広がっている。舌先を押し付けてやると微かな鉄の匂いと甘さが感じられた。

ぼろぼろの爪とピンク色の指先。その隙間に芯を少しだけ出したシャーペンを沿わせて進める。黒い跡を残して滑る芯を何度か往復させると指先に小さな痛みが走った。痛みに構わずペンを動かせば所々黒くなった白い半円が指から離れていった。ペンが走った場所からはまた血が流れていた。垂れるほどではない。僅かな痛みを伴ってゆっくりと広がっていく。

幼少の頃についた癖はなかなか治らない。無意味な行動を繰り返した結果、健康と呼べるような手の指はなくなった。今日も気がつけば左手の中指と薬指には傷ができていた。

ほのかに口に残る甘さを、あと何回味わうのだろう。

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