契約までの道
2日目
「よし妖狐お前の好きな服、アクセサリー、なんでも買ってやるよ」
昔から冒険者を目指していた俺は、弱い魔物なら何度か倒したことがあるためなかなかの蓄えは、ある。
「ほー、一丁前に言うでわないか、ならば容赦無く行かさせてもらうのじゃ」
そのあと、無茶苦茶買った。だが妖狐の趣味的にとても高級なものというより、素朴な物が好きだったようでそこまでの金額にはならなかった。特に白のワンピースを気に入っていた。
「さあ、俺は、経済力もあり、こんなブラサンチョコなどの美味しいお菓子たくさん知ってるのだぞ、契約を結べ!」
「嫌なのじゃー、まだこんなのじゃ足りんのう」
「明日、こそは、契約結んでもらうぞ」
「まいまい棒10本」
この狐は中々ちゃっかりしているようだった。
3日目
今回は、市場でお祭りのようなことをやっていたので、射的、輪投げ、金魚すくい、様々な遊びをした。
「サメ太郎、貴様も早く大きくなってわしを乗せれるようになるのじゃ」
「金魚はそんなでっかくならねえから、安心しろ、というか早く契約」
「嫌なのじゃー」
また、明日か、と思う俺であったがなんやかんや、こいつとの遊びが楽しくも感じてきていた。
4日目
今回は湖にやってきた、まわりからも評判の観光スポットだから、妖狐も絶対満足するはず、最後は、夜景の綺麗なところで契約だ。
「でっかいプールなのじゃー」
白い肌にフリル付きのワンピース型水着、周りの目がどことなく嫌らしく妖狐を見つめている気がする。
「おい、ゼル、あそこまで競争なのじゃ、勝ったら契約してやっても良いぞ」
「やってやらー」
少し変わったことがある。以前の妖狐は、俺のことを、人間や、お主と言っていたのに名前で呼び始めたことだ、正直これはとても嬉しかった
そして、俺は星の見える高台から妖狐に言った。
「俺と契約して楽しい生活をしよう」
「何、プロポーズみたいに言っとるのじゃ、答えはNOなのじゃー」
「このへそ曲がり狐がーー」
「むふ」
心なしか妖狐が笑ったような気がした。
5日目
今回は、俺の大好きな漫画である、ドンドンボールや、汁粉のバスケ、ダッキュー、などである。
「ゼル、ゼル、不思議な世代チートすぎなのじゃ、やばいのじゃ、早く次の巻をくれなのじゃー」
「じゃあそれ見たら契約してくれよ」
「考えておこうかのう」
結局契約はしてくれなかった。
6日目
今回は、映画を見にきた、魔法により撮った映像を特殊なシートに投影するというものだ。今回は、妖狐が活躍する映画を選んできたから楽しんでくれるのではないだろうか。今の俺は本来の目的を忘れていた。
「妖狐のシルキーちゃんかっこよかったのだ、わしあんな風に敵をバッタバッタと倒したいぞ」
「楽しんでもらえてよかったよ」
「ゼルお前本来の目的を、忘れとらんか、わしと契約するために楽しませとるんじゃろ」
「契約してくれ」
「そんな取って付けたような、言い方じゃあ無理じゃぞ、だが、明日もっと楽しませてくれたら考えてやるのじゃ、それとまいまい棒10本」
よし明日こそは、と決意を固める俺であった。