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バアルVS鈴蘭

「早く姫を助かに行かねば」


「いかせぬぞ」


「そこをどけ!!!」


バアルの繰り出した槍は、氷の壁に阻まれる。


「以前より硬い」


「前回と同じと思ったら怪我するぞ」


「ぬかせ、神の意向」


「くっ」


「遠距離戦では、やはり私に分があるようだな」


鈴蘭の氷とバアルの雷には、発動時間に大きな差があるそれは、手数に直結してしまう。それに鈴蘭は、だんだん押されていった。


「振りそそげ雷よ」


ここで鈴蘭は、魔法で撃ち落とすのではなく、回避に徹し始めた。


「ぬっ」


バアルには信じられないことが起こっていた。後衛型であるはずの、鈴蘭が前衛さながらの回避をしていたのだ。


「これが修行の成果じゃ」


1ヶ月前


「じゃあ、師匠修行を頼むぞ」


「んー、そうねまずは、ひたすら私の攻撃を回避してもらおうかしら」


「でも、我は、魔法で防御もできるし、威力とかをあげた方が」


「馬鹿ね、そんな馬鹿正直気に魔法でガードしてたら、すぐガス欠になっちゃうわよ」


「それに、肉体を鍛えれば魔法の威力も上がる、私達の様なAランクはすでに肉体は出来上がってるからいいけど、あなたはまだまだよ、だから徹底的に体を鍛えるそして近くでも遠くでも戦えるすべを身につけましょ」


「わかったのじゃ」


バアルは混乱していた、遠距離攻撃しかないと思っていた、鈴蘭が近距離での攻撃を行ってきたのだから。


「氷結拳」


「ぐはっ」


決して鈴蘭の拳にすごい威力があるわけではない。だが今まで攻撃をあまり受けたことのない、バアルにとってそれは強力な一撃に他ならなかった。


「私を押していて、いい気になるなよお前の主と姫の実力差は見なくてもわかるぞ」


「なら見ればいいのじゃ」


「何を言って、なっ」


そこでバアルが見た景色は信じられないものだった。


「こいつの剣なんか変」


「そっちは外れだ」


「くっ」


いくら修行をしたところで今の、ゼルには姫を倒す程の剣技はなかった。それをほぼ互角に持っていけるからくりがあるのだ。


「まさか、貴様か、狐」


「だから、あやつは言ったじゃろ、一人では戦わんとな、お前と戦いながらあっちに幻影を使っとるんじゃよ」


ここでバアルは認識を改める、こいつは今すぐ倒さないと危険だと。


「あまり全力は出したくないが、しょうがあるまい」


「アイスメイル」


剣のように造形された氷がバアルに降り注ぐ。


「解放ゲイボルグ!!!」


その瞬間バアルの持っていた槍が光り出す、そしてバアル一度だけそれを振るう。たった一度軽く振っただけにもかかわらず、鈴蘭のアイスメイルは、全て砕け散った。


「そんな我の魔法、あんな簡単に」


「避けろよ狐当たったら死ぬぞ」


「ふっふふふふふ」


「何を笑っている、お前は追い詰められとるのだぞ」


バアルは恐怖した。何故ならこの絶対絶命の状況で何故か鈴蘭は、笑っているだ。それと同時に謎の力も感じる。そして想像してしまった、自分が負けるビジョンを。


「何、我もちょうど同じことを言おうとしたのでな」


鈴蘭は、これまである技でバアルを倒すことを決めていた。だがそのためには、かなりの溜めが必要だった。だからここまでの間攻撃を少ししつつ、溜めていた。誤算といえばバアルが対抗できる力を持っていたことだ。


「師匠使うぞあの技」


「何を企んでるのか知らないがこれで終わりにする」


そして互いの力が相手を仕留めようと、上がっていく。


「聖装グングニル!!!」


バアルの力が一気に集約された突きが放たれる。


「龍より生まれし灼熱で燃え尽きろ、龍炎砲!!」


そしてこちらも、バアルに負けずおとらずの炎が龍となって相手に向かっていく。


「ぐっ」


「ぐっ」


そしてぶつかり合う、二つの技、二人は相手の技の威力に驚いていた。


「まさかここまでとは」


「押し負けるものか」


この技の押し合い制するため二人は最後の力を振り絞る。


「私が」


「我が」


「勝つ!!!」


二つの力拮抗していた、そして押し合いに耐えられなくなった、力は、爆発する。


「ぐはっ」


二人共が場外の壁まで吹っ飛ばされた。


「すみません姫」


「後は頼んだぞゼル」


そして両者共に意識を放す。


「おおっと両者の召喚獣が一気にダウンしてしまった」


二人ともが担架によって運ばれていく。


「これであんたにかけてた魔法も解けたわ、これで終わりだね」


「まだ終わんねえよ」


「はぁ?」


「後は任せろ」



















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