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2回目の召喚

あれから修行を重ね3週間が経ったこのタイミングで2回目の召喚日はやってきた。クラスには、少し緊張した空気が流れる。前回わかった通り、確実に契約出来るわけではないからである。だが俺はとても笑顔だった。


「ねえ、どうしたのゼルなんか楽しそうだね」


「いや、だって今回はCランクの召喚獣が召喚できるからな、楽しみで仕方ねえよ」


俺は模擬戦でかなりの好成績を収めたためクリスタルを交換できたのだ。


「Dランクで悪かったな」


「お前のランク以外の良いところなんていっぱい知ってるんだから俺にとって、お前はAランクと同じくらいの価値があるぞ」


「それは、素直に嬉しいの、だが気をつけるのじゃぞどんなやばい奴がでてくるかわからんからな」


「いや、お前以上にやばいのは、いねえだろ」


「、、、、確かにな」


「納得すんな」


「仲よさそうでなによりだよ、最初はやばかったからね」


そのあとアイも混ぜて会話をしていたところ、すぐに召喚時間はやってきた。みんなが足早に外へ出て行く。


「ついに一人っ子卒業みたいな感じじゃの」


鈴蘭は、すごく楽しみにしてくれているようだ、正直俺と新しい召喚獣より、鈴蘭と新しい召喚獣の方が心配だったのでこれは良かった。


「よし、今から召喚するからちょっと下がっとけ」


「了解なのじゃ」


鈴蘭が下がったのを確認した俺は、召喚を開始する。Cランククリスタルが宙を舞いまばゆい光が辺りを包む。


そして光が収まり中から出てきたのは、人狼だった。黒髪から、少し見える耳、そしてもふもふとした短い尻尾年齢は、15から16程度の少女ほぼ鈴蘭と同じ身長だ顔はとても整っておりかわいいというより、美しいという言葉よく似合う。


「よろしく、俺はゼル・ベルゼリオン、ゼルと呼んでくれ」


「、、、、、、」


「おーい」


「、、、、、、」


「どうかしたかな」


「、、、、、、、、」


俺の呼びかけに無反応である。そして表情筋も動かないので何を考えてるのか分からない。


「おい、鈴蘭心を読むことはできないか」


「召喚獣の心を読むことは、我にはできんぞ」


「じゃあどうすれば」


「ここは、我に任せとけ」


鈴蘭は、自信たっぷりにそう言い放ち、人狼に向かっていく。


「おいお前、我がここの先輩じゃ、よろしくな」


「、、、、、、、」


「ゼルになんか不満でもあるか、確かにあいつは口ばっかな時もあるし、顔は微妙だし、運動も普通じゃが」


「、、、、、、、、」


「ゼルーー」


泣きそうな目でこっちを見てくる鈴蘭、だが俺は忘れんぞお前がそんな風に俺を見ていたとは。ちょっと泣きそうな俺だった。


この後頑張って代わる代わる話しかけるがずっと無視されてしまい途方に暮れていた。授業中は、小さな子犬状態となり、俺の肩にずっと乗っていた。そのあとの帰り道は、アイと一緒に帰るがアイが喋りかけても何も喋ることは無かった。


だが、アイとの修行を終えて部屋に戻ってきた俺を人狼が待っていた。


「そ、の、ゼルさん」


「おぉぉぁぉ」


俺はあまりの驚きに部屋から出てしまった。そしてもう一度呼吸を整えて部屋の扉を開ける。


「なんで、逃げるんですか」


そこには、なんか最初にクールという言葉が似合うと思っていた、俺の想像完璧に打ち砕くように部屋の真ん中で人狼は泣いていた。


「悪かった悪かった、何か急に部屋にいたし、急に喋り出すし」


「何でですか、そんなすぐに初対面の人と喋れらわけないじゃ無いですか」


ここで俺は理解したこいつはただの人見知りだなと。


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