学年選抜戦に向けて
「もうだめだアイ少し休憩を」
「はあ、ゼルそうやってすぐ休もうとする、別に休憩してもいいけど、僕にはなんの問題も無いし、鈴蘭ちゃんはまた傷つくことになるけど」
「悪い、続けよう」
「それでいい」
俺と鈴蘭はアイの家で泊まり込みで修行することになった。食事なども出してくれるのでさすがに悪いと思ったが、食事もトレーニングらしいのでお言葉に甘えさせてもらっている。
「のじゃー」
たまに、鈴蘭の悲鳴が聞こえてきたりする。部屋に戻ってくる鈴蘭は、なんともげっそりとした顔をしているのでかなり心配だ。
「お前大丈夫か」
「それはお前もじゃよ」
よくよく鏡を見ると俺の顔もかなりやつれている。
「心配するなこれくらいで我は死なんから、顔が不気味だからあんま近づくな」
「いやお前もな」
それからの俺らは互いに不気味と言われたのがショックだったのか、身だしなみには、気を使うようにした。
アイのトレーニングは早朝5時から始まる走り込みとひたすら素振りだ、そのあと学校へ行き帰ってきたら、まずは、アイと剣を交えるこれは毎回のごとく負けているだが少しずつだが相手を観察することで王宮剣術を学べるいる気がする。見て盗むということなのだろうか。
「はぁぁぁぁぁぁ」
「まだまだ、甘いよ、正面から横へのなぎ払い」
「ここだ」
「しまったこれはフェイク、で本命は突き」
「ぐはっ」
修行を始めてから2週間始めてアイに攻撃を与えることに成功した。
「まさか僕に2週間足らずで攻撃が当たられるようになるとはね、ゼルにしては、頑張ったね」
「ゼルにしてはは、余計だ」
「次はもっと本気でかからしてもらうよ」
「なんだよ本気じゃなかったのか」
「ほらほら次行くよ」
「まじでさっきの3倍くらい強い気が、がは、」
「あれ、気絶しちゃった」
そしてこの後は、食事そして入浴をした後、自分の技についての特訓を行う、それにしてもアイはつきっきりで自分のことは大丈夫なのかと思う。
「なあ、アイ」
「どうしたの」
「いやさ、別に俺が嫌ってわけじゃねえけど、お前って俺のことばっか指導してくれてて大丈夫かなってさ」
「一応、交換条件で教えるって約束だしね、あと、僕頑張ってる人を見るのは結構好きだからさ」
「ふーん、まじでありがとな」
「どういたしまして」
夜10時これが就寝時刻だここで寝て後は明日の5時に備える。普通はそう考えるはずだけど、彼は、違った。
「はっ、はっ、はっ、」
一人庭で剣術の修行をする。普通僕に2週間で攻撃が当てられるようになるわけない。当てた所で別に慢心するわけでもなく彼は黙々と剣を振る。
「ゼルって僕が知らないだけで結構バカなのかな」
バガだと馬鹿にしているにも関わらずアイは、ゼルから目を離すことが出来なかった。
一方その頃エルは、
「鈴蘭ちゃんも一緒とは言え、何か怪しいあの二人が一つ屋根の下で、これはゼルが新しい扉を開いてしまったのかも、あー、おしまいだー」
変な妄想をしていた。




