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修行

俺が強くなるにはと考えた結果俺は一つの結論に至った。剣術を高めるということだ。そして俺の友達にはそれにぴったりの奴がいるのだ。


「ということで王宮剣術を教えてください」


「ゼル君、そんな簡単に王宮剣術を教えられるわけないでしょ」


正直ダメ元だったが、アイ以外に剣がうまい人は知らないのだ。そして鈴蘭のためにも俺は強くならなければならない。たったひとつの断りで諦めるわけにはいかないのだ。


「アイ頼む剣術を教えてくれ」


「ねえ、今は授業中だから」


「アイ頼む剣術を教えてくれ」


「うわぁぁぁぁ、ここトイレだから」


俺はそれからもアイを追う。


「頼む、剣術教えてくれーーー」


「走って追いかけてくるな」


まだまだ俺は諦めない。


「ねえなんで君は、僕の後をついてくるのか」


「剣術を」


「最後まで言わなくてもわかるから、この際だから言うけど王宮剣術はそれだけ特別な物なんだよ、だから諦めて、普通の剣術なら教えるよ」


「普通の剣術じゃ、あの姫を倒すことはできないんだ、だから頼む」


俺の精一杯の土下座だった。


「無、理、だからーー」


そのまま走り去っていくアイ。だけど俺は諦めることはできない。


「はあ、ゼルくんも流石に諦めてくれたかな、ん、」


そして窓を眺めていたアイが見たのは屋敷の門の前に毛布にくるまっているゼルだった。


「はあ、ゼバス彼は私の友人だから屋敷に入れてあげて」


「すいません」


「ゼルくんこれはストーカーってやつだよ」


「いや、本当は帰ってから一緒に登校しながらまた教えてもらえるよう頼むつもりだったんだけど、帰る方法がわかんなくなっちゃって」


「今回は泊まらしてあげるから、もう王宮剣術を頼むのはやめてね」


「はい」


アイはこの時意外に聞き分けがいいんだなと感心した。だがアイは知らないこの後起こる悲劇を。

















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