メイル姫との戦い2
「ねえ、もう飽きたから倒していい」
「王宮剣術1の型、網目切り」
「ヒュン」
その瞬間メイルの剣は空を切った。
「ご主人上だ!」
その瞬間メイル姫空を見る。そしてそこには、剣を振り下ろそうとするゼルの姿が目前まで迫っていた。
「くっ」
「流石お姫様様よく避けたね」
「ねえ君ってさ、ハズレって入学してから言われてた人だよね、確かに召喚獣Cランクだしあなたの剣は弱い、でもなんか強いね、どうして強くなれたのかな」
「鈴蘭が弱いと思わねえが、まあ、一緒だから、俺は強くなれる」
「意味わかんなーいよ、一人一人が強ければ強いけど二人だから強いは、意味わかんない」
「主人ここは私に」
「うん、じゃあ戦乙女お願い」
「神の怒り」
その瞬間先ほどの何倍もの雷が俺たちを襲う。
「ちょっと、なんであの男の子を狙わないの」
「主人騙されてはいけません、あれは幻影です多分本物はどこかに隠れているはず」
「騙されるな、そいつは本物だ」
「なっ」
その時俺はとても不思議な感じだった、何か鈴蘭の気持ちが全部わかってしまうような、そして俺の考えも全部あいつが分かってくれてるような。
「狐火」
後方にいた鈴蘭から放たれたのは、狐火、そしてそれはゼルの剣に纏われた。
「火剣切り」
「ぐっ」
その剣は、さっきまで全く戦乙女を傷つけることはできなかった、だがこれにより始めて戦乙女が血を流した。
「おのれ、人間が私に傷を」
「俺だけじゃねえ、俺たちでやった傷だ」
「ねえ、戦乙女ちょっと休んでてよ、私ちょっと本気出すから」
「主人それでは、私がリベンジできま」
「黙ってて」
そしてその瞬間メイルの纏う気が変わった、いつものほんわかした感じから、とげとげとした、殺気に。
「大丈夫怪我してもここの設備ならすぐ治してくれるよ、心の傷は知らないけどね」
一瞬で間合いを詰めてきたメイル姫との鍔迫り合いが起こる、だが数ならこっちの有利。
「氷槍」
メイル姫はそれをいとも簡単に避ける。
「本命はこっち」
氷槍と同時に放たれていた技そしてあの戦乙女にさえにも傷を与えた技である。
「火剣切り」
「どんな技でもそれを当てられる技量が無いとゴミ同然だよ」
「全然当たらねえ」
そして俺は、一瞬で鈴蘭と考えを共有する。
「任せろ、動きは我が止める」
「氷結牢」
メイル姫の体を、氷がどんどん覆っていく。そして俺はこれなら当てられるそう思った。だが別の考えもよぎる。これを当てたら相手は死んでしまうのではということだ。そしてそれが一瞬の迷いを生む。
「ふん」
その一瞬を見逃す程甘くないメイルは、簡単に氷の牢獄を破った。
「氷壁」
メイル姫の剣を氷壁が防ぐ。
「本当に君達ムカつくよね、二人でやれば何とかなると思ってんのかよ、もう使うよ」
「また王宮剣術か、」
「前のとはレベル違うから死んだらごめんね」
「王宮剣術2の型、横薙ぎ」
間合いに入ってないこれは、当たらないそう判断した俺だった、たしかにおれは傷をおわなかった。
「何で」
鈴蘭が一太刀のもとに切られていた。
「あっあっ、鈴蘭!」
「ねえ、心の傷は消えそうかな」
俺は今取るべき最良の選択も見失ってメイル姫を切りにかかる。
「てめぇ」
「暑苦し、早く消えろよザコ」
「がっ」
意識が飛ぶ。俺が最後に見たのは、血を流して倒れた鈴蘭が何かを言っている姿。
「ご、め、ん、ね」
そして俺は意識を離した。




